ねじの最新技術
日本のファスニング産業
ねじは自動車、電気機器から造船、橋梁、住宅、家具など、ものづくりのあらゆる場面で使用され、品質と安全の確保に役立っています。
ものづくりに携わる顧客のさまざまな用途に応じるために、日本のねじメーカーは最新の技術と設備の導入に努め、ねじ商社は顧客のあらゆる注文に対応できるよう品揃えの充実を心がけています。
日本のねじの生産量、金額
日本のねじメーカー(従業員4名以上)は1,494社(平成24年工業統計表)
それぞれボルト、ナット、小ねじ、木ねじなど得意な品種を中心に、世界最高水準の品質と信頼性の製品を製造しています。
ねじ類の生産量は、重量で年間約300万トン、数量では年間約3000億本という天文学的な数字に達するのではないかと言われます。
生産者出荷金額は年間約1兆円で、工業統計金属製品中トップクラスの座を占めています。
2007年度の日本のねじ商社は約400社で年間販売金額は約4500億円と推定されます。
大型商社の取り扱い品目は5万種類以上に及びますが、中でも品揃えトップの商社の場合、取り扱い品目は30万種を超えるということです。
ジャンボボルトからマイクロファスナーまで
高強度アンカーボルト
本四連絡の旗艦橋であり、世界最長の吊り橋明石海峡大橋(パールブリッジ)。高さ298メートル、柱間距離1991メートルの2本の主塔の基礎は、優れた強度、耐久力および信頼性を保証する、長さ7メートル、直径26センチ、重さ3トンという巨大な数10本のねじ、アンカーボルトが束になって支えています。
宇宙用超精密ファスナー
ロケット発射の強い衝撃に耐えた500本のノッチボルトは、フェアリング分離の瞬間に、爆薬によって1/1000秒のスピードで瞬間的に切断されます。失敗が許されない高度な技術と確実な信頼性が要求されます。
超微細マイクロファスナー
日本の卓越した鉄鋼製造技術と素材加工技術によって生まれた超微細鋼鋼線を、中堅ねじメーカーが試行錯誤を重ねた末に、匠の量産転造技術によって軸径0.3ミリ軸長1.2ミリという究極の微細ねじの製作に世界で初めて成功しました。
未来の微細化ニーズを先取りして開発した、究極の超微細マイクロファスナーです。未だニーズが顕在化していませんが、近い将来にこのファスナーが画期的な未来製品に使用されることが期待されます。