会報ねじ

サーキット走行の魅力

2013年08月26日

 

興津螺旋株式会社 柿澤宏一様から投稿をいただきました。
サーキットを知らない人にも魅力が伝わってきます。
投稿ありがとうございました。
 
 
サーキット走行の魅力
 
興津螺旋株式会社
柿澤宏一
 
 私の趣味はサーキット走行です。月に一度はマイカーを御殿場の富士スピードウェイに持ち込んでスポーツドライビングを楽しんでいます。
 
 小さい頃からクルマが好きで、大人になったら絶対スポーツカーに乗りたいと思っていました。社会人になり、憧れのスポーツカーのハンドルを握るという夢が叶いました。走る、曲がる、止まる、すべての性能がとても高いスポーツカーをイメージ通りに操れたときの快感は何にも例え難いものです。初めの頃は近くの峠道で運転の練習をしたり、長距離のツーリングに出掛けたりしていましたが、運転に慣れてくると自分のクルマの限界の性能を体験したくなってきます。しかし一般道ではその性能を発揮することはできません。交通ルールを破って、無理してクルマを壊したり、他人を巻き込んで迷惑をかけたりしたら大変です。フラストレーションを感じていたそんな時に知り合ったスポーツカー乗りの人の誘いにより、富士スピードウェイでの走行会に参加しました。それがサーキットとの出会いです。あれから10年以上が経ちます。
 
 サーキットを走る時に感じるのは、どんなにスピードを出しても誰からも咎められない自由、そしてサーキットが如何に安全かということです。速いスピード=危険と考えがちですが、制限速度が定められている一般道と異なり、サーキットは想定される走行速度に基づいてコースが設計されています。またコースアウトしても安全に停止できるエスケープゾーンが設けられています。そしてなにより、サーキットは一方通行なので対向車がいません。こうして、速いところでは時速200キロ以上、クルマによっては300キロ近い速度が出ても安全に走行できるようになっているのです。ただし、油断やムリは禁物です。私たちはプロのレーシングドライバーではありませんので危険を冒してまで前のクルマを抜かしても誰も褒めてくれません。特に性能の近いクルマと出会うと、負けたくないという思いからついアツくなってしまいがちです。そんな時はミスしてクラッシュしたのちに修理代として支払うであろう一万円札の枚数を頭に浮かべて落ち着くようにしています。ルールとマナーを守り、絶対に車をぶつけないこと、自走して帰ることが一番良いことです。私は主に、周回のタイムを計測しながらコースの攻略を楽しんでいます。速い人の後ろについてラインを学習したり、ブレーキングのポイントを早めたり遅らせたり、いろいろ試すことでタイムを短縮できるとさらに楽しくなります。モータースポーツという言葉の通り、サーキット走行は体力を消耗し、汗もかきます。ですから走行後には心地よい疲れと爽快感を感じてスカッとするのです。
 
Circuit2013.8.26.jpg
 
 サーキットに興味があっても、何となく近寄りがたいイメージがあるかもしれませんが、行ってみるとそうでもありません。サーキットには皆さんが安心してクルマを楽しめる仕組みがいろいろあるのです。スタッフの運転に同乗する「同乗走行」、ペースカーの後を自分のクルマで走行する「体験走行」では気軽にサーキットの雰囲気を味わうことができます。本格的に走ってみたくなったらライセンスを取得すれば良いでしょう。一度講習を受けるとライセンスが発行され、スポーツ走行枠での走行が可能となります。ライセンスがなくても、カーショップなどが主催する走行会に参加するという方法もあります。若者のクルマ離れが話題となっている昨今では、一般の人にとってサーキットはかなりフレンドリーになってきたように感じます。
 
 最後に、費用の話を少し。クルマさえあれば、サーキット走行1回あたりにかかる費用は走行チケットと燃料代で、ゴルフ1回とあまり変わらないと思います。ただし、サーキットではクルマの消耗が早いので、タイヤ、ブレーキ、油脂類の管理は確実にしなければなりません。サーキット走行をすることで、私は日常のメンテナンスもしっかり行なう習慣がつきました。男子なら、スポーツカーをカッコよく乗りこなしたいものです。余裕のある大人の運転をするためにも、サーキットでドライビングテクニックを磨くことは有効だと思います。または、最近は女性のドライバーも見かけるようになりましたので、そちらを楽しみに行くのも良いのではないでしょうか。