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55周年記念ねじフォーラム 開催レポート

2015年11月19日

 

未来開発・パブリシティ委員会藤田守彦委員長)は、2015年11月6日金)、品川シーズンテラス東京・品川)にて、「55周年記念ねじフォーラム 『ねじが開く未来を発信しよう!』」を開催しました。会員企業、賛助会員企業から、90名の参加をいただきました。この場をお借りして、皆様のご参加、ご協力に御礼申し上げます。

 

基調講演「ねじの未来をつくる」 会員3社の取り組み

午前中は「ねじの未来を作る」と題した基調講演。

会員企業3社に、それぞれの取り組みをご紹介いただきました。

 

「女性技術者の採用と現場に起こった変化」

 - 興津螺旋株式会社 代表取締役社長 柿澤宏一氏 -

 

社員に占める女性「ねじガール」比率が、現在約45%、来年度には女性の方が多くなるという、ねじ業界ではめずらしい興津螺旋。一人の女性社員が「ねじを作りたい」と手を挙げたことに端を発し、今では、8名の女性が、ヘッダー、転造などの機械を操作する技術者として活躍しています。

男性と比べて体格や筋力に差のある女性が、現場で安全に作業ができるようにすることで「男性も楽に仕事ができるようになるし、高齢になっても仕事を続けられる」と柿澤氏。同社の人材採用に対する考えや、さまざまな効果を紹介いただきました。

講演に立つ柿澤社長。
「会社のイメージも良くなっているような気がしている」

 

女性ねじ職人第一号の佐野瑠美さん。
「少しの力で作業ができる工具や、安全な冶具も取り入れられ、不自由なく作業できている」

 

 

「当社が広報に力を入れる理由」

 - 日東精工株式会社 企画室 室長 荒賀誠氏 -

 

日東精工では10年以上前から、経営理念、文化や知識、姿勢やあるべき姿などを伝承するために、社内で数冊の本を作成しています。その抜粋が書籍として出版されたことを機に、「多くのねじメーカーの存在や日東精工のことはあまり知られていない」と気づき、広報活動を始めました。

強みである「日東精工らしさ」を知っていただくために、お客様や地域の方々、株主、メディア、従業員など多方面に対し、さまざまな方法で情報発信をしています。

「ねじをもっと知っていただくことで、信頼感やイメージアップ、働く人のやりがいにつながるのではないか」と荒賀氏。具体的な広報活動の内容や、成果を紹介いただきました。

荒賀氏と日東精工のねじキャラクター「ねじっとくん」。
ニックネームは一般公募で決定した

 

 

「市場の要求に応えるものづくりへの挑戦」

 - 株式会社中島田鉄工所 代表取締役社長 中島田正宏氏 -

 

「簡単に結論付けるのであれば、最短納期で、生産速度と精度が安定して高く、段取りが簡単で、打痕や異品混入がなく、納品の翌日からフル稼働できる機械を、いかに適切な価格で届けるかが、市場の総合的な要求」と中島田氏。中島田製作所では、さらなる徹底した改善活動や、他の機械メーカー、金型メーカーと協力して、踏み込んだ新たな提案するための取り組みを行っています。

グローバル化の中の日本における教育、また国内外を問わずアライアンスを検討することは大事なことではないかという認識で、同社が築いてきた海外でのミュニケーションスキルも含め、「機械のみならず、圧造機械に関する教育のお手伝いや、企業同士の友好な橋渡し役などとしても活用いただきたい」と述べました。

講演に立つ中島田氏。
「一つ一つのねじ、圧造製品に、これだけの魂、誇りを込めて真剣に生産している国は、私の知る限り他にない」

 

 

ワークショップ「ねじが開く未来を発信しよう!」

 

午後は、参加者全員が11のグループに分かれてワークショップ。

「ねじ、あるいは、ねじ業界のテーマを見いだし、そのテーマについてグループが発信したいメッセージをまとめる」のが課題です。

それぞれのグループとも、ねじメーカーや機械メーカー、金型メーカー、また製造現場、営業など、立場の異なる方々が集いました。自己紹介の後、約3時間にわたって、リーダーを中心に関心事を話し合い、テーマを決めて認識を深め、今後何をすべきかを議論。最後に「私たちの主張」としてまとめました。

各グループによる発表では、市場開拓、業界の地位向上やイメージアップ、人材育成などのテーマについて、それぞれのメッセージが発表されました。

今後のねじ業界について考える機会として、またいろいろな立場や考えを理解し、一つのメッセージにまとめる経験として、何かをお持ち帰りいただけたのではないかと思います。

( ワークショップの様子1 )

( ワークショップの様子2 )

 

 

懇親会

記念の集合写真を撮影の後、懇親会を行いました。

今回、同じ時間を共有し、一緒にねじ業界について考えた方々と、さらに親交を深めることができました。

( 懇親会での様子 )

 

 

次なる機会にも、多数のご参加をお待ちしております。