MF-TOKYO2023プレス・板金・フォーミング展出展レポート
MF-TOKYO2023 プレス・板金・フォーミング展が、2023年7月12日(水)〜15日(土)、ビッグサイトで開催されました。
日本ねじ工業協会(会長:佐藤義則)は、MF-TOKYOを主催する日本鍛圧機械工業会の協賛団体として出展をいたしました。この度は、コロナ明け4年ぶりのリアル開催となりました。従来の大きな「会場イベント」を控え、代わりに展示の内容の充実をはかりました。
「この世はねじでできている!」
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「ねじ発、サステナビリティ貢献」
1: 展示コンセプト
2015年の初出展以来、協会は「この世は ねじ でできている」をスローガンに掲げ、「さまざまな産業を支える多様なねじ」をアピールしてきましたが、それに加えて、今年は、サステナビリティという社会の課題に答えようとしている ねじ にフォーカスした展示も行いました。一つひとつは小さな ねじ ではありますが、ねじの主体的な提案や技術開発の取り組みを意味する、「ねじ発」に込めた心意気を見ていただきたいと考えた次第です。会場では、ご来場のお客様からの様々な質問も寄せられ、ねじに寄せられる期待の大きさを感じることができました。
フライヤー
オレンジでお馴染みのシンボルマーク「この世はねじでできている」
サステナビリティをイメージする新しいシンボルマークも
ねじ展示会場の全体感
新設された、「ねじが貢献するサステナビリティ」の展示コーナー
2:総入場者数とねじ会場への来場のお客様数
4年ぶりの開催となりましたが、総入場者数は、28,219人と、もう少しでコロナ前の水準(2019年の30,113人)に迫る勢いでした。
ねじ会場へ来場のお客様は857名(バーコードリーダー読み取りと名刺)となりました。会場では、展示内容にヒントがある「ねじネタクイズ」を実施。正解にはカンバッジをプレゼントしましたが、参加者は764名となり、来場のお客様の大半の方にクイズを楽しんでいただきました。
3:「この世はねじでできている」(ねじの多様性を訴える)の展示の様子
パネルは右から左へ
・ 「線路をしっかり固定したい」・・・スカートナット(株式会社イチヤナギ)
・ 「薄くて美しい ねじ が欲しい」・・・薄頭ねじ(クラウン精密工業株式会社)
・ 「ねじは生活の中の部品」 ・・・自転車ブレーキパーツ、レンジフード、
蝶ナット、蝶ボルト(株式会社オーピージ)
・・・樹脂製ファスナー(興津螺旋株式会社)
パネルは右から左へ
・「ゆるみにくさと、耐震性、作業効率を両立したい」 ・・・パニエンナット
(株式会社オーピージ)
・「宇宙特有の厳しい要求に応えるねじが欲しい」・・・フェアリング固定ボルト、
宇宙ステーションのバンパー固定ボルト、実験用ラック固定器具
(メイラ株式会社)
・「水や油が侵入しないねじが欲しい」・・・防水ねじ(富士セイラ株式会社)
自動車用防水ねじ(メイラ株式会社)
パネルは右から左へ
・「モバイルPCの世界最軽量記録を更新するために開発された ねじ」
・・・プリント基板固定用 めねじ スタッド(富士セイラ株式会社)
・「「僕の足にはボルトが入っているんだ」
・・・頭蓋骨固定プレート&スクリュー、
整形外科用インプラントが装着され骨模型、
整形外科手術器械(東海部品工業株式会社)
・「過酷なモータースポーツに耐えるねじが欲しい」
・・・モータースポーツ向けシリンダーヘッド用ボルト・ナット
(株式会社河坂製作所)
パネル名「プラスチックでつくるねじだからできること」
・・・電気絶縁性・非磁性を活かす精密電装品の組立て用ねじ、
耐食性を活かすマリンスポーツ用ねじ、
対薬品性を活かすポンプ用ねじ、
低い熱伝導性を活かす冷凍・冷蔵庫用ねじ
軽量性を活かす自動車、航空機用ねじ
美観・視認性・作業性を活かす公共施設用ねじ
美観・視認性・作業性を活かす公共施設用ねじ
(株式会社丸ヱム製作所)
パネル右から左へ
・「海水を浴びつづけてもさびないように」・・・タケコート-1000 ボルト
(株式会社竹中製作所)
・「製造工程を簡単にしたい」・・・キザタイト、アルミタイト
(日東精工株式会社)
・「部品点数を減らし、溶接をなくしても大型車の荷重を支えることができます」
・・・スプリングピン
パネル名「走りを追求したい」・・・チタン合金ボルト、チタン合金ボルトを装着したバイク
(興津螺旋株式会社)
パネル名「日本のねじづくり、『種子島』から始まりました」・・・火縄銃(藤田螺子工業株式会社)
4:「ねじ発、サステナビリティ貢献」の展示コーナーの様子
ものづくり企業として、ねじ企業のサステナビリティの柱を、「温暖化防止・大気保全」、「新規採掘資源への依存の軽減」としてみました。具体的にどんな分野の貢献になるのか、以下の6つの分野について、下工程のニーズに応えるねじを探してみました。
① 風力や太陽光発電を支える
② 軽量化に貢献する
③ 電動化を支える
④ 加工工程の削減、不良率・廃棄率の低減
⑤ 長寿命化で脱炭素、メンテナンスコスト逓減に貢献
⑥ 4R(repair, reuse, rebuild, recycle)の推進、リビルト(再生)部品に欠かせないねじ
新しい企画ですが、会員企業の皆様も真剣に検討してくださいました。
一つひとつは小さな ねじ ではありますが、ねじの主体的な提案や技術開発の取り組みを意味する、「ねじ発」に込めた心意気を見ていただけたら幸いに存じます。
この大パネルの足元のテーブルには、以下の小パネルや展示資料が展開されています。
サステナブル展示パネル
(左側)「大型風力発電を支えるねじは大型で高強度。破壊しない信頼性が不可欠」
(株式会社竹中製作所)
(右側)「従来の鉄ボルトをアルミボルトに代える提案をして実現しました」(メイラ株式会社)
(左側)「タップタイトはめねじ加工工程を省き、コストもCO2も削減」(日東精工株式会社)
(右側)「ねじ切り粉粘着型ねじ『CPグリップ』はクルマの電動化と不良率逓減に寄与」
(日東精工株式会社)
(右側)「異種金属結合技術アクローズ(AKROSE)はハイブリッド車、電気自動車などの端子を軽量化」(日東精工株式会社)
(左側)「反り防止とバリ防止で、クルマの軽量化と電動化に貢献」(日東精工株式会社)
(右側)「素材を守り、地球も守るC02排出量を約68%削減」(株式会社竹中製作所)
(左側)「従来の溶接ナットを圧入ナットに代えると製造・取り付け工程で発生するCO2を約80%削減」(西精工株式会社)
(中央)「使用済み自動車の部品や修理で交換した部品を再生
リビルトパーツとして再生できるのは ねじ があるから」
5:「ねじ」を体験するコーナー(ミニワークショップ)
極小ねじ締め付け体験
M0.6mmの極小ねじ締め付け体験には、いつも人だかりが。
ついついムキになってしまいます。(日東精工株式会社)
「ねじでリハビリ」体験
ペットボトルのキャップを開ける動きなど、日常生活で「ねじる」動作は欠かせません。「ねじリハシリーズ」は、ねじから生まれた、手指の筋力を効果的に銀えることができる作業療法器具です。
会場で体験していただきました。『ねじリハシリーズ」(橋本螺子株式会社)
開催期間中、パブリシティ委員会メンバーをはじめ、会員企業様には、運営のためにスタッフの方々を動員いただきました。
おかげさまで、無事に終了することができました。この場をお借りして心から御礼を申し上げます。
以上
(パブリシティ委員会事務局)
関連リンク(動画)の紹介
インタビューに応えて、日本ねじ工業協会の出展内容について、平戸真澄実行委員長が語っています。
https://www.youtube.com/watch?v=-1uw1mGN9pc