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「少子高齢化時代の人材採用・人材活躍WG」の会合が累計10回に。来期に向けた活動方針を検討 

2023年11月26日

「少子高齢化時代の人材採用・人材活躍WG」の会合が累計10回に。来期に向けた活動方針を検討

〜 60周年変革ビジョンのスタートアップトライアル事業のご報告〜

去る10月27日、「少子高齢化時代の人材採用・人材活躍ワーキンググループ(以下WG)」(グループリーダー:高須俊行・富士セイラ社長)が10回目となる会合を行いました。当WGの会合が累計10回になる機会をとらえて、これまでの活動を振り返ると共に、「PHASEⅡ」の活動として、今後の活動方針を議論しました。

この機会に、これまでの経緯とともに、第10回会合での議論についてご報告させていただきます。

 

1:これまでの経緯

「変革ビジョンスタートアップ・トライアル事業」として「少子高齢化時代の人材採用・人材活躍」に関心をお持ちの会員を募集し、「一社では解決できない課題に取り組みながら、実のある交流を実現したい」との狙いに立って活動を行って来ました。2022年2月25日の第1回以来、今回で10回の会合を持つに至りました。

 

これまでの会合では、当テーマに関するメンバーの関心事をテーブルに乗せ、メンバー間で情報交換を行い、課題化を行った。課題化したテーマについては、優先度が高いとメンバーが評価した3テーマを選び、時間をかけて意見交換を行い解決の糸口を探りました。

・    ⾃社に相応しい⼈事評価はどうあるべきか?

・    定年延⻑への対応方針はどうあるべきか?

・    自社の後継経営者をどのように見つけ育てるか?

 

今回、会合が10回目を迎えるに当り、これまでの振り返りを行い、今後の進め方についての方針を検討するタイミングと判断しました。

 

2:第10回会合での振り返りと今後の進め方に関する議論

2-1:振り返り

会合に先立って、メンバーアンケートを実施し共有しました。当日の議論も含めた「振り返り」のサマリーは以下の通りです。

 

【これまでの評価】

・    「自社が抱える悩ましい問題について、他社はどうしているのか問題解決の参考にしたい」「(営業的な)利害対立のない立場で、話し合いを深めたい」「親睦を深めたい」というメンバーのニーズ・ウォンツについては概ね満足する議論や運営ができた。

・    この点については、密にリアルな悩みを共有、秘匿内容まで開示した情報交換、アフター5の懇親など、小グループの特性を活かした会合のあり方が高評価を得た。

・    グループの人数については大半のメンバーが、「加えてもあと数人が限度」で一致。

・    WG主催で「興津螺旋様の女性活躍」をテーマに公開セミナーを実施した。できれば、関心あるテーマについて、今後もこのようなセミナーを公開形式で実施したい。

 

【課題】

・    取り上げた3大テーマについては、「最終的に自社の問題は、自分で決断しなければならないことを実感した(共通解を出すべき問題ではない)」の一方、「消化不良の部分もあるので、もっと掘り下げたい」と更なる解決の糸口を求める声もあった。どのように応えて行くかは課題である。

・    WGの開始にあたり、メンバーの関心事からテーマ設定を行ったが、「人事評価」「定年延長」「後継育成」といういずれのテーマも、今ある制度を前提にしている議論が多かった。しかし超人手不足時代はこれから。その影響や社会の変化を視野に入れ、これから起こる問題にもう一度目を向ける必要があるのではないか?

・    今後も自主運営は難しい。支援事務局による運営支援(会合の記録、情報整理、議論の整理、公開セミナーの準備など)はこれからも継続して欲しい。

 

2-2:今後の進め方に関する主な議論

・    「トライアル事業」という性格から、まずは集まったメンバー自身が満足するようにという方向で運営を行ってきたが、その目標は達成できた。一方、今後も継続するためには、活動の成果を他の会員にも還元するような公益性が認められれば、もっと支持されるのではないか。

・    WGが主催行った公開セミナー「女性活躍セミナー」のように、一緒に学びたいと思ったテーマをセミナーで共有するようなことでも良いので、WGの活動が会員とのWin/Winを意識したものになって行くと良いのではないか。

・    日本の生産性(一人当たり付加価値)は、国際比較で見劣りすると言われて久しい。最近では、生産性の向上、中小企業の持続的な賃上げが政策に織り込まれるようになってきた。「人的資本経営」や日本型雇用のあり方の見直しで、今から人材の流動化が始まるとも言われている。このような環境を考慮すると、我々は人事政策の転換点にいると言っても過言ではない。しかし、WGとしては、まだその議論をしていない。これからである。

 

3:来年度に向けた活動のために・・・「PHASE Ⅱ」の進め方に関する方針

・    「少子高齢化時代の人材採用・人材活躍WG」は、活動を継続する。「PHASE Ⅱ」として、新たな出発をしたい。

・    「PHASE Ⅱ」として出発するにあたり、これまでの活動の特長(長所)を生かすと共に、課題とされたことについては検討を加えて、2024年度活動計画を作成する。活動計画を策定する。

・    WGの名称は変更してはどうかと言う意見もあったが、名称はともあれ、これまでと同じく「これからの超人手不足時代に起こる「人(人事)」の問題を扱う。万が一、テーマがこれ以上拡大する議論に発展した場合には、それは新しいWGとして再公募の方向で検討する。

・    議論の対象となるテーマについては、「PHASE Ⅰ」の消化不良、取りこぼしの点検とともに、以下の新たな視点を加えて、関心事分析を行い、取り組むテーマを決めて行く。

・    新たな視点とは、現行の人事制度をどう運用するかという問題から離れて、これから起こる未来の問題の対処である。更に深まる人材難の影響はどんなものか、なぜ人的資本経営の導入なのか、なぜジョブ型雇用が注目されているのか、人材流動化が中小企業経営に与える影響と対処策は如何に、など、「すでに起こった未来」に関心を広げたい。

 

4:今後の活動計画について

上記の「PHASE Ⅱ」の進め方に関する方針に基づき、年明けの第11回会合を行なって活動計画を決定する予定です。

 

以上

パブリシティ委員会・WG立ち上げ支援事務局(高橋)