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「六角ボルト・六角ナットのJIS改正に伴う説明会」を開催

2014年10月02日

  一般社団法人日本ねじ工業協会及び日本ねじ研究協会(いずれも相澤正己会長)は、去る、9月24日大阪にて、9月26日には東京にて、「六角ボルト・六角ナットのJIS改正に伴う説明会」を開催した。

 これは、平成26年4月21日付けで、六角ボルト(JIS B 1180)及び六角ナット(JIS B 1181)の規格が改正されたが、この機に今後のねじ業界としての取り組みを説明するもの。これまで、日本ねじ工業協会と日本ねじ商業協同組合連合会は、JIS改正の動きを踏まえて、商工一体となって今後の取り組みの方向性をまとめ、今般「附属書品から本体規格品への切り替えガイド」という小冊子(リーフレット)を発行した。それを受けての説明会には、大阪でおよそ180名、東京でおよそ80名が参加した。

IMG_1938(30%).jpg東京会場の様子

 以下、東京での当日の様子を報告したい。

 先ずは相澤会長より、開会挨拶にあたり、「ねじ業界の地位の向上のためにも、商工が一体で方向性を出した。一刻も早く本体規格への切り替えの一歩を踏み出して欲しい」と訴えた。

IMG_1939(30%).jpg相澤会長挨拶

 

 次に、大磯専務理事は、「JIS B 1180(六角ボルト)及びJIS B1181(六角ナット)の改正点」をパワーポイントにまとめ、これまでのJIS改正の経緯と、今回の改正点について説明を行った。説明資料はpdfをこちら、Bolt Nut JIS26-9.pdf から見ることができます。 

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大磯専務による改正点の説明

 

 次に、「附属書品から本体規格品への切り替えガイド」を取りまとめたリーフレット委員会を代表して平戸委員長から、同ガイドの作成に至る経緯とねじ業界の方針を訴えた。その要旨は以下の通りである。

 2009年に附属書延長措置をとったが、協会50周年を契機に、ねじ業界の地位の向上のためにも、「速やかにJIS本体規格への切り替えを働きかけて行くのが好ましい」との方針を確認し、リーフレットの作成を行って来た。これから「2020年までにJIS本体規格品の生産・供給体制を整える」、「お客様、特に設計者の皆様へ、新しい設計では本体規格を使っていただくよう働きかける」、「業界統一呼称の使用、現品識別マーク、梱包識別ラベルの施行により、間違いを防ぐ」ことを徹底した。最後に、「既にJIS本体規格品は要求と供給がなされており、また海外でも製造されている。まずは国内ねじメーカーとして、注文があったら出せる体制づくりの第一歩を踏み出して欲しい」と強く要望した。

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リーフレット委員会を代表して平戸委員長が解説

 最後に、リーフレット委員会の橋本委員(兵庫県鋲螺釘工業協同組合理事)からJIS改正に関わるナットの留意点に関し以下の説明があった。JIS本体規格はボルトとナットの適切な組み合わせによりねじ山のせん剪断破壊を起こすことなく最大の締め付け力を得ることでき、技術的に優れている。それはISO TC2の委員会で長年にわたりテストデータで検証し改正を繰り返し、労力をかけてきた成果である。本体規格は今後も進化するが、一方の附属書は残ったとしても、今後進化をすることはない。信頼性の高い締結を提案し、安全安心を作って参りたいと訴えた。

IMG_1947(30%).jpgJIS本体規格の優位点をリーフレット委員会の橋本委員が解説

  

 以上の説明の後、質疑応答があり説明会を終了した。

 説明会のプログラム(大阪会場、東京会場ともに同内容)は以下の通り。

         14:00 開会

         14:05 JIS改正内容のポイント

         14:40 六角ボルト(JIS B 1180)に関する注意点について

         15:00 六角ナット(JIS B 1181)に関する注意点について

         15:20 質疑応答

         15:30 閉会

 

 尚、「附属書品から本体規格品への切り替えガイド」については、広く使っていただけるように、日本ねじ工業協会のホームページからダウンロードすることが可能です。以下のページにダウンロードの方法、利用する際の留意点がありますので、それに沿ってご活用いただきますようお願いいたします。

http://www.fij.or.jp/jis-guide/

 

以上

取材 未来開発・パブリシティ委員会事務局 高橋寛美