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相澤会長 平成27年 年頭所感

2015年01月05日

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      平成27年 年頭所感

一般社団法人日本ねじ工業協会
 会 長  相 澤 正 己

 

平成27年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年5月に6年間会長を務められた前竹中会長のご勇退に伴い、ご指名により会長職を拝命致しました相澤でございます。 さて、昨年は4月の消費税増税前の駆け込み需要により、3月までの消費は一時的に増加致しましたが、4月以降はとたんに消費者の財布の紐は固くなったようです。日本経済はアベノミクスを支える成長戦略を推進するために、政府・日銀の金融緩和政策により「円安」、「株価高」は進行していますが、本来これにより目指した「輸出拡大」と「消費拡大」は期待できる状況ではなく、デフレ脱却、税の増収、財政の健全化見通しも十分とは言えません。そして政府や有識者の予想に反し、GDPはプラス基調を持続せずにマイナスへと転じ、安倍総理大臣は今年10月に行われる予定であった消費税10%への増税を1年半延期することを決断しました。

 ところで今年の世界経済の予測を見てみますと、国際通貨基金(IMF)は昨年10月発表の世界経済見通しで、今年の世界経済成長率は3.8%まで上昇すると発表しております。先進国(地域)の成長見通しは2.3%を見込んでおり、主要国では米国が3.1%、中国が7.1%、ユーロ圏1.3%、ASEAN諸国5.4%、そして日本は0.8%となっています。また某銀行発表の今年の業界別見通しでは、我々の業界と関連している製造業で前年比増益と見込まれているのは、総合重機、自動車、産業機械、工作機械、運輸、建設としていますが、消費税増税の延期が日本経済にどう影響するのか注視しなくてはならないでしょう。 

 さて協会の事業に目を向けてみますと、重点事業の一つとして行っているねじ製造技能検定制度では、昨年開催した検定受験者向けの講習会には144名もの会員が参加され、2月には4回目を迎える2級検定試験を実施いたします。この検定制度については、講習会用テキストの見直し・充実に取り組むとともに、会員外の希望者も対象に機会を提供するなどの改善を図ってまいります。また未来開発・パブリシティ委員会では、今年7月に一般社団法人日本鍛圧機械工業会と日刊工業新聞社が主催する「プレス・板金・フォーミング展」への出展と、今年迎える当協会創立55周年にあたり、50周年事業の時に好評だった有識者によるフォーラム講演会及び次世代を担う管理職及び中堅リーダーによる参加型ワークショップの開催に向けての準備、また技術委員会と協調したJIS六角ボルト・ナットの規格改正周知活動などを引き続き進めてまいります。国際委員会では、海外五地域のねじ生産企業を会員とする団体との国際交流が今年は香港で開催が予定されており、有意義な実のある国際活動に取り組みます。今年も引き続き委員会・部会活動に皆様のご意見・ご要望を反映しながら推進してまいりたいと考えております。

 最後になりましたが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。