6月1日ねじの日によせて(椿会長)
2018年「ねじの日」によせて
一般社団法人日本ねじ工業協会
会 長 椿 省 一 郎
日本経済は、いまや名目GDPは過去最大の551兆円に拡大し、一方少子高齢化もあり直近の有効求人倍率は1.58倍と44年ぶりの高水準となるなど人手不足は深刻度を増しています。
次のステップにジャンプするには、更なる拡大を担える人材の質を高める「人づくり革命」と生産性を高める「生産性革命」が不可欠です。
そうしたなか第4次産業革命とも言えるAI、IOT、ビッグデータ、ロボットなど革新的技術が、あらゆる産業や生活に取り入れられ大きく変わろうとしています。国でも企業でも、「人づくり」と革新的技術を活用した「生産性革命」の二本柱が欠かせません。ねじ産業も例外ではありません。
当協会では、ねじ産業の未来を展望し、「人づくり」の重要性を鑑み、その機会を提供し一端を担えればと、昨年度も会員の自主的参加による様々な活動を推進して参りました。
ねじの重要性を広くPRして社会の理解を深め、ねじ産業従事者のモチベーションの向上に資することを目的に、東京ビッグサイトで7月に開催された「プレス・板金・フォーミング展(MF-Tokyo2017)に出展し、「いつだって、どこだって解決する"ねじ"」をテーマとし、さまざまな分野で活躍する"ねじ"の世界を紹介し、1,400名を超えるブースへのご来場を頂きました。
ねじ製造技能検定事業では、ねじ製造に携わる方々の知識・技能の向上と職業能力の適正評価を目的に、東京、名古屋、大阪の3ヶ所で各3回の講習会を開催し132名が受講され、本年2月の7回目の協会認定検定試験では129名が受検され59名が合格されました。
また技術面では、技能講習会や圧造スクールの開催、日本ねじ研究協会との連携事業を通じて技術力の更なる向上をはかりました。
10月には五地域ねじ協会交流大会を札幌で開催し、日本を含め121名が参加しました。今回の主催者である当協会から「協会について相互理解を深める」ことと「参加者個人の交流を図る」の2点を提案し、前者では当協会の委員会活動の一部を紹介、後者では五地域のメンバーが混じって同席し、自己紹介や会社紹介など言語の障害を乗り越えて交流する初めての機会を提供しました。
さらに10月下旬にはドイツねじ協会の訪日団を迎え相互の情報交換や企業訪問を行い、また今後の交流と協力関係の継続を確認し友好な関係を築くスタートとなりました。
今後とも夫々の活動の目的と目標を見定めて業界と協会の発展、そして人づくりの一助となるよう努力して参りたいと思います。
ねじは、あらゆる分野で使用され役立っている基礎部品であり、なくてはならないものです。まさに「この世はねじでできている」です。
6月1日を迎え、「ねじの日」が、ねじの正しい評価を一層広める機会となり、またねじに携わっていることの誇りを改めて思い起こす日となることを祈念します。