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一般社団法人日本ねじ工業協会 会長年頭所感

2013年01月01日

Chairman Mr.Hirotada Takenaka.jpg                     年 頭 所 感
                                                                                                                                         一般社団法人日本ねじ工業協会  
                                      会 長 竹 中 弘 忠 

 平成25年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

昨年の世界経済に関するIMFの発表によると、財政再建が需要を減らしているほか、欧州を中心に金融システムの不安定などの要因により世界経済は回復を続けているが、回復力が弱まっているとして世界全体の実質経済成長率を3.3%と当初の予想より下方修正しています。

また、IMFは2013年の世界経済見通しについて、欧州の債務危機への対応や米国の急激な財政支出削減の回避など、適切な政策対応が実施されるとの前提で、実質経済成長率を世界で3.6%、米国2.1%、ユーロ圏0.2%、日本1.2%、中国8.2%と予測しております。

米国の大統領選挙はオバマ大統領が再選を果たしました。早急に景気回復や雇用創出への効果的な政策が求められています。また、サブプライムローン問題による金融危機への対応として、金融緩和、財政支出の拡大策を進め、その結果多額の財政支出をもたらし、巨額の財政赤字が生じました。財政赤字縮小のために歳出削減等財政緊縮策を進めれば、欧州の債務危機による財政緊縮策と相俟って世界的に信用不安が生じ米国経済は後退し、世界経済に大きな影響を及ぼすと危惧されております。

 一方わが国経済は、相変わらずデフレ経済から脱却できずもがいております。
また、沖縄県・尖閣諸島の国有化の影響で、中国国内の対日感情の悪化、自動車等日本製品の不買運動の影響で最大の輸出先である中国向けが大幅に減少するなど、貿易赤字が定着したと言われております。

電子・電気メーカーも、韓国などの新興国との価格競争に敗れ莫大な赤字を計上し、その対策に追われているのが実状であります。大学・高校の新卒者の就職難、リストラによる失業者の増大、原発・電力・エネルギー問題、円高等わが国経済は厳しい状況が続いております。

ねじ産業に携わるものとして、一刻も早い景気回復を切に望む次第でございます。

 昨年末の総選挙で政権与党に復帰した自民党を中心とした新政府においては、景気対策を最優先課題として取り組み、デフレ脱却、原発・エネルギー問題の解決等一刻も早く経済の回復を図っていただきたいと思う次第です。

 さて、一般社団法人日本ねじ工業協会は昨年主に資格制度、国際交流等の事業を実施してまいりました。

 資格制度については、3年前より取組んでいる「ねじ製造技能資格検定制度」創設に係わる事業で、昨年は、取りあえず会員のみを対象に「ねじ製造技能検定(2級)試験」を東京、愛知及び大阪で実施しました。33名が受験され、うち12人が見事合格を手にされました。
第二回目は、今年の2月22日に実施します。多くの方に受験していただきたいと思っております。

現在は、運営体制が整っていないため、会員のみを受験対象としておりますが、今後は1級対象の試験導入や会員以外のねじ製造に携わっている皆様にも拡大し、わが国ねじ業界が一丸となって「ねじ製造技能検定度」の国家検定としての創設実現に邁進してまいりますので、会員各位はじめねじ製造関連企業、関連機関の皆様のご支援・ご協力を衷心よりお願い申し上げる次第です。

 国際交流に関しては、毎年持ち回りで開催しております五地域(中国、韓国、台湾、香港、日本)のねじ製造団体との交流・情報交換会を昨年は日本が当番で、6月に東京のビッグサイトで開催された機械要素技術展察、講演会開催等々を海外の団体より140名の皆様をお招きして、有意義かつ実のある交流・情報交換会を会員各位のご支援・ご協力のお陰で開催することができました。
この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

また、技術委員会の事業として、急速に拡大している韓国の高炉メーカーPOSCO社、現地の伸線メーカーの見学会等々の事業を実施いたしまた。

今年も2月にタイ国へ工場視察・研修視察団の派遣を計画するなど委員会・部会活動はもちろんのこと、ねじ技能検定試験に係る事業等々を積極的に実施・推進してまいる所存です。
会員の皆様におかれましても各事業へ積極的にご参加下さいますようお願い申し上げます。

 当協会は、今年4月1日より社団法人から一般社団法人日本ねじ工業協会へ衣替えして新たに出発いたします。これを機会になお一層会員の皆様をはじめ、ねじ産業に携わる皆様のお役に立てるような事業を推進してまいりたいと思っております。
会員各位のご支援を心からお願い申し上げます。

 末筆ではございますが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。