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竹中会長 年頭所感

2014年01月06日

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                 年 頭 所 感


                         一般社団法人日本ねじ工業協会                    
 

                     会 長  竹 中  弘 忠



 

平成26年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

平成25年は、超大型台風、集中豪雨、竜巻が世界各国を襲い大きな被害をもたらしました。
日本においても多くの人が尊い命を亡くされると共に、家屋の倒壊など大きな被害を被りました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに被災された皆様に対して衷心よりお見舞い申し上げる次第であります。

  さて、昨年の我が国経済は「アベノミクス」で始まり、消費税増税で終わった1年であったといえると思います。そのため年後半の景気は、政府経済対策並びに消費税増税前の駆け込み需要により内需を中心に堅調に推移したといわれています。しかし、納入先の需要業界によって多少の温度差はあるとはいえ、混沌とするエネルギー問題や電気料金の値上げなどの影響もあって、我々中小企業は「アベノミクス」の恩恵をまったく受けられていないといっても良いのではないでしょうか。

 国際通貨基金(IMF)の2014年の世界経済見通しにおける経済成長率は、米国は住宅需要の回復等で2.5%、中国が投資から消費へと持続可能な国内成長に軸足を移すなど若干成長は鈍るものの、中国、インド等のアジア途上国は6.5%(昨年は6.3%)、日本は、消費税増税等で1.25%(昨年は2%)の成長率となっています。その結果、日本や米国をはじめとする多数の国・地域で増大した政府債務問題とそれに関連する財政上、金融政策のリスクなど依然として下方リスクもありますが、世界経済全体で、昨年を上回る3.6%(昨年は2.9%)成長を予測しております。

 そんな中、今年は、東日本大震災の復興需要や東京オリンピック需要がねじ業界にも波及してくるとのではないかと期待はしておりますが、その反面、消費税増税の影響を受け、4月以降は住宅関係を含め内需の大幅な減少を余儀なくされることは間違いなく、我々ねじ業界を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況が続くのではないかと予測しております。政府のさらなる力強い経済対策を望むところであります。 

 特に、ねじ製品は、政府が掲げた新たな成長産業といわれている医療、航空、環境などの新分野においても重要な締結部品として既に使用されているわけであり、我々国内ねじメーカーは、これからさらなる高度化、高付加価値化、高品質化を目指した技術・製品開発を行って、海外製品との厳しい競争に勝ち残っていかなければならない状況にあるといえます。 

 当協会は、昨年4月1日より社団法人から一般社団法人日本ねじ工業協会へ生まれ変わり、新たな出発を致しました。本年の年頭挨拶は、「今年も相変わらず・・・」ではなく、「今年こそ」はという決意で、ねじ業界の発展をなお一層推進して、基盤強化を確実なものとするため、平成26年度事業を強力に推進して、会員の皆様をはじめねじ産業に携わる皆様のお役に立てるような協会を目指して努力してまいる所存です。 

 これまで、当協会の重点施策として実施してきた、ねじ製造技能者へのインセンティブ付与並びにねじメーカーが取り組む人材育成支援のためのねじ製造技能検定創設に関する事業(協会認定の実施、同講習会の開催)やねじ製造業の職業能力評価基準の活用促進等の資格委員会事業、ねじ産業の地位向上を目指す未来開発・パブリシティ委員会事業、加速するグローバル調達への対応のために国際協調・国際競争力強化をはかる国際委員会事業、工場見学会や講習会(研修会)開催等の技術委員会事業については、これまで以上に皆様からのご要望をお聞きしながら、各事業に取り組み成果を上げるために新たな一歩を踏み出して、その実現に向かって邁進していく所存です。会員各位、ねじ関連諸団体のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。 

 末筆ではございますが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。