MF−Tokyo2017 プレス・板金・フォーミング展出展レポート
「この世はねじでできている! 」
MF−Tokyo2017 プレス・板金・フォーミング展が、2017年7月12日(水)~15日(土)、ビッグサイトにて盛大に開催されました。日本ねじ工業協会(会長:椿省一郎)は、MF-Tokyo2017を主催する日本鍛圧機械工業会の協賛団体として出展をいたしました。
キャッチフレーズは「この世はねじでできている!」。
そして「いつだって、どこだって解決する'ねじ'」をテーマに、さまざまな分野で活躍する'ねじ'の世界を紹介いたしました。
会場配布のご案内チラシ(表面)
'ねじ'ブースの展示ゾーンには、さまざまなニーズに応える技術課題を解決して来た'ねじ'を紹介。お客様は説明に耳を傾け、手に取ったり、ルーペを覗き込んだりと、それぞれにねじの奥深さを実感していました。
会場では、展示にヒントがある'ねじネタクイズ'を実施しましたが、ご来場のお客様のうち、クイズに参加したお客様の数は、3日間の累計で1,407人(名札のバーコード読み取り数)となりました。この数字は一昨年の来場者数に並び、クイズ参加者だけの比較では、一昨年を数百人上回るものとなりました。
展示ゾーンの様子。説明に耳を傾けるお客様、クイズの答えを探すお客様。
チラシ(裏面) にイベントのご案内
また、ねじに親しむイベントスペースでは、
・ワークショップ「Dr.ラーセンの'ねじ'締め付け体験教室」(7月12日−14日)
・ワークショップ「ねじブロックで遊ぼう」(7月12日−14日)
・「全日本製造業コマ大戦 特別 ねじ屋場所」(7月15日)
の楽しい催しを行いました。
コマ大戦の観戦に駆けつけたお客様
それぞれのワークショップ参加者は、以下の通りとなりました。
Dr.ラーセン:100人以上
ねじブロック:180人以上
コマ大戦は、強豪10チームが競いましたが、観戦するため会場を埋め尽くすお客様が集まりました。
来場者の中には、さまざまなものづくり企業の方々の他に、社会科見学を目的に訪れた職業訓練校の生徒さんや工業系の学生さんら若い人たちも多数見かけました。将来、ねじ産業にご縁がある人が一人でも増えて欲しいと期待を寄せた次第です。
今回も、日本ねじ工業協会の未来開発・パブリシティ委員会を中心に会員企業の皆様には、企画・運営、展示資料の提供、会場での説明、イベント運営など、さまざまな形でご協力いただきました。出展の成功は皆様のご協力の賜物です。
ご協力に、深く御礼申し上げます。
以下に、展示、イベントの概要を報告させていただきます。
展示ゾーンの概要
・展示品
各社のご協力により、ねじ20数種類、火縄銃を解説パネルと共に展示。
・「ねじネタ」クイズ
ブースを回遊していただくために、展示を見ると答えがわかる8種類のクイズを実施。参加者には、「この世は'ねじ'でできている」ロゴの缶バッジを贈呈。
・JIS本体規格品、附属所品の展示・配布
展示品ギャラリー(展示品の内容)
・日本のねじづくりは「種子島」から −「解決するねじ」のはじまり -
藤田螺子工業 藤田守彦常務所蔵の火縄銃。火縄もついています。
① ねじは生活の部品
回すだけで、固定したり外したりできるというねじは、私たちの暮しのさまざまな課題を解決し、ニーズに応える'ねじ'は生活に不可欠な部品。工具がいらないねじ、簡単に外せないねじ、怪我を治すねじ、美しさを追求したアクリルねじなどを展示。
骨折治療用ねじ(左)、手術用具(中央)他、さまざまな生活を支えるねじ
② 走りを追求したい
スポーツ自転車などのチューニングに使われる「競技用チタン合金ボルト」、装着されている自転車も展示。
③ 薄くて美しいねじが欲しい
頭を薄くしつつ首の強度を保つ「薄頭ねじ」。家電の省エネ、軽量化、デザイン性などの要求に応えます。
④ ゆるみにくさと、耐震性、作業効率を両立したい
ゆるみにくく、締めやすく、戻しやすい。木造建築、高層建築などに活用されている「軽量・高強度ワッシャ-一体型緩み止めナット」。シーソーで、同機能の従来品ナットと重さを比較できます。同製品が開発されるまでどのような変遷をたどったかもわかります。
軽量・高強度ワッシャ-一体型緩み止めナット
⑤ 製造工程を簡単にしたい
主に自動車を中心に、作業工数とコストの
低減を目的に採用されるセルフタッピングねじは、ねじ込みながら雌ねじを切っていきます。締結する素材によって、それぞれ独自の課題を解決する必要があります。一つは柔らかい樹脂に、もう一つはアルミなどの軟質金属素材に、セルフタッピングを可能にした事例を紹介しています。
⑥ 自動車をより軽くエコにしたい
自動車のCO2排出量削減のための軽量化にも'ねじ'が貢献します。一つはアルミボルト。鉄より強度が劣る点を補い、アルミのメリットを引き出しています。もう一つは、ハイテン材(高張力鋼板)薄板用圧入ナット。溶接ナットの問題を解決しています。
アルミボルト
圧入ナット
⑦ 線路をしっかり固定したい
新幹線の線路などに使われている「ゆるみ止めナット」。線路の模型で、どのように装着されているのか、じっくり見ていただくことができます。
線路模型に装着されたゆるみ止めナット
⑧ 水や油が侵入しないねじが欲しい
これまでに5億個以上が携帯電話に使われているという「防水機能付きねじ」。そのねじを使用したボックスを水槽に沈めて、防水性能を見ていただきました。
異金属の接触による電食防止のために、頭部外周を樹脂で覆ったねじ
⑨ 長期間振動してもゆるまないねじが欲しい
製造装置や自動車に使用されるラチェット機構付き緩み止めねじ。
長期間の振動によっても、ゆるまないようにします。
⑩ 過酷なモータースポーツに耐えるねじが欲しい
市販車をレース仕様にチューニングするためのシリンダーヘッド用ボルト・ナット。振動や熱などの悪条件に耐える性能が要求されます。
⑪ 海水を浴びつづけても錆びないように
トンネルや橋、海洋建造物、石油プラントなど、過酷な環境下で使われている「防錆防食ねじ」(中央、緑色のボルト・ナット)。特殊フッ素樹脂コーティングが施されています。塩水噴霧試験結果も展示しました。(左側)
⑫ 宇宙の特有の厳しい要求に応えるねじが欲しい
ロケット先端の人工衛星を放出する部分(フェアリング)に使用されている「ノッチ付きボルト」や、宇宙ステーションを隕石の衝突から守るバンパーパネルに使用されている「宇宙ステーションバンパー固定ボルト」を展示。
「宇宙ステーションバンパー固定ボルト」
⑬ いつでも規格どおりのねじを製造するために
ねじが規格どおりに作られているかどうかを確認するために使用される「ねじゲージ」を展示。OK品やNG品のボルト・ナット使って、実際にどのようにチェックするのか体験できます。
おねじを検査するリングゲージ
⑭ もっともっと小さいねじが欲しい
軸の外径0.6ミリの「極小ねじ」。ルーペ越しに見ながら、実際にドライバーで締め付ける体験ができます。小さすぎてなかなか上手くできませんが、皆さん、コツを掴むまで諦めずによく頑張りました。
極小ねじの締め付けに挑戦しています。
ねじに親しむイベントゾーンの概要
・映像放映
さまざまなねじ、日本の技術力を紹介するビデオ。「この世は'ねじ'でできている」を常時放映。
・ワークショップ「Dr.ラーセンの'ねじ'締め付け体験教室」(7月12日−14日)
確実な締結には、ねじの適切な締め付けが欠かせません。Dr.ラーセンの指導のもとに、適切な締め付けを体験し学ぶことができるワークショップ。
・ワークショップ「ねじブロックで遊ぼう」(7月12日−14日)
「ねじブロック」は、豊富な種類の'ねじ'を組み合わせて立体造形を作る知育玩具で、大人も子供も楽しみながら、ねじの理解ができます。参加者には「金色のボルトキーホルダー」をプレゼント。
オリジナル作品コンテストも実施。優秀作品の2名に「ねじブロックキット」を贈呈。
・「全日本製造業コマ大戦 特別 ねじ屋場所」(7月15日)
コマ大戦は日本の製造業を元気にしたいという声に応えて始まったイベントです。松田大会委員長の下、全日本コマ大戦協会公認の「特別 ねじ屋場所」が開催されました。技術を結集して自作した自慢の喧嘩ゴマを持ち寄り、10チームが参戦。その真剣勝負を見ようと会場には、溢れるばかり人たちが集まりました。
コマ大戦ねじ屋場所大会委員長、開会宣言
この一投に全てをかけます。
絶対に、負けられません!
第2回「コマ大戦ねじ屋場所」、栄えあるチャンピオンの誕生です。
「優勝おめでとうございます!」
暑い、そして熱い4日間が終わりました。
4日間の展示やイベントを通して、来場者の皆様には、今まで以上に身近にねじを感じていただけたのではないでしょうか。
(未来開発・パブリシティ委員会事務局)