ねじの常識、非常識 #2
Q:ねじを締付けたらねじの頭が木に食い込みました。どうしたら良いでしょうか?
A:座金(ワッシャー)を入れるなどして座面面積を大きくしたねじを使用しましょう。
ねじを使って物を締付けると軸力(締結力)が発生しますが、その軸力の大きさは、ねじの座面で受ける(支える)ことになります。その際に、ねじや締付けられる物の強さ(または、硬さ)によって、陥没などの塑性変形をしてしまうことがあります。
これは、その材料の持っている強さを超える荷重(軸力)がその部分に加わってしまい、耐えられなくなって凹んでしまったためです。そうならないためにも、座金を入れたり、フランジ付き六角ボルトを使用しましょう。(図1参照)
図1.軟らかい物(木)を締付けた例
もう少し詳しく説明をします。(図2参照)
まず、面圧という言葉があります。これは、
面圧 = 荷重 ÷ 荷重を受ける面積
で定義され、その中でも材料が塑性変形を起こし始める面圧を限界面圧と言います。これは、材料特性の一つで、材料毎に固有の値を持っています。その値をこえると締付け時に陥没するばかりでなく、締付けが完了した後も外からの力が更に加わることによってその陥没が進行すると、軸力低下(ゆるみ)を起してしまいます。
次に、対策ですが、陥没する方が弱い(軟らかい)のですから強い(硬い)材料にしたり、座金を入れて同じ荷重をより広い面積で受ける(面圧を小さくする)ようにすることが効果的です。また、ねじの頭の形状を六角からフランジ付き六角にしたねじを用いることも荷重を支える面積が増えるので同じ効果が得られます。
従って、座面面積の比較的小さなねじで木やプラスチックなどの軟らかいものを締付ける場合には、この面圧に十分注意をしてねじを選ぶことをお勧めします。
図2.陥没の説明図
参考として、図3にJIS B1180 六角ボルト,JIS B1187 座金組込み六角ボルト,及び JIS B1189 フランジ付き六角ボルトの頭部形状の例と座面面積(計算値)を示します。
図3.JIS B1180 六角ボルト,JIS B1187 座金組込み六角ボルト,及びJIS B1189 フランジ付き六角ボルトの頭部形状の例と座面面積(ボルトM10,穴径がφ11の場合)
※参考として、表1に各種材料の限界面圧を示します。
表1.各種材料の限界面圧
木の限界面圧は、約3.4N/mm2
(「ねじ締結体設計のポイント」財団法人 日本規格協会 より抜粋)