日東精工が、めっきに替わる金属被覆技術で部品のマルチマテリアル化をサポート
15.会員企業の広報誌・ニュースレターの投稿ページです。会報ねじでは、皆様の広報誌、ニュースレター、プレスリリースを掲載し、紹介して参ります。
今回は、日東精工様より届いたプレスリリースをそのまま掲載致します。
-------------------- 以下日東精工様プレスリリース --------------------
NEWS RELEASE
2023年11月14日
日東精工株式会社
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めっきに替わる金属被覆技術で部品のマルチマテリアル化をサポート
~ 異種金属接合技術AKROSE を応用した金属被覆技術を開発 (特許出願中)~
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■ はじめに
日東精工株式会社(代表取締役社長:荒賀誠、本社:京都府綾部市井倉町梅ヶ畑20番地、東証プライム、https://www.nittoseiko.co.jp/)は、異種金属接合技術「AKROSE(アクローズ)」を応用した金属被覆技術を開発いたしました。なお、本技術につきましては特許出願中です。
■ 開発背景
当社は異種金属接合技術「AKROSE(アクローズ)」を2018 年に開発しました。このAKROSE を利用した部品のマルチマテリアル化は、軽量化やコスト低減などを実現し、電池業界を中心に高い評価を得てきました。
近年、様々な分野において二酸化炭素排出量や電力消費量の削減など、環境に配慮した製品の開発が求められています。また、特に製造業においては、材料価格の高騰や物流費の上昇を受け、製造原価の低減や物流の効率化を図って製品付加価値の向上を追求している状況にあります。このような状況下にあって、部品のマルチマテリアル化は環境配慮設計や製品付加価値の向上にとって一層重要な検討要素になっています。
AKROSE は、お客様の自由で柔軟な発想から生まれる先進的なマルチマテリアル化の実現をサポートできる技術であると考え、継続して応用開発を進めており、この度、AKROSE を応用した金属被覆技術を開発いたしました。
■ 技術概要
AKROSE を応用することにより、従来のめっきによる表面被膜形成を異種金属部材の接合に代替することができます。このAKROSE 被覆技術は、AKROSE により素地金属と被覆金属とをプレスで塑性変形させて接合するものです。つまり、素地金属の表面に皮膜金属を析出させて被覆構造を得るめっき処理に対し、AKROSE 被覆技術では部材同士を強力に密着させて機械的に接合することで被覆構造を得ます。接合後に被覆金属に切削などの追加工を行い、形状や被覆金属の厚みを整えた製品を完成させることも可能です。
■ 特長
(1)めっき処理に要していた環境負荷の低減・処理時間およびコストの削減
めっき処理においては、電気や水、薬剤を大量に消費します。また薬剤の使用に伴い、めっき処理工程において発生するガスや排液の環境負荷物質除去のために多くの設備やコストを費やしているのが現状です。めっきの膜厚が厚くなると、めっき皮膜が析出するまでの時間が長くなるため、環境負荷も大きくなります。AKROSE 被覆技術は、プレス接合により被覆構造を得るため、めっき処理工程そのものを廃止し、環境負荷の低減と金属被覆に要する時間の短縮を実現することができ、めっき処理と環境負荷低減に要していた様々なコストを削減することができます。
(2)形状・膜厚の自由度の向上
めっき処理においては、一般的に極めて厚いめっき皮膜を形成すること、あるいは同一部品の部位毎にめっき皮膜の厚みを変えることは難しいとされています。
AKROSE 被覆技術によって得られる接合品は、被覆金属の厚さの選択の自由度が高いため、厚いめっき皮膜に相当する被覆を容易に実現することができます。また、被覆金属の全体もしくは一部分に切削などの追加工を行うことが可能であり、部品の部位毎に被覆金属の厚さを変えることが可能です。
(3)耐摩耗性の向上
AKROSE 被覆技術によって得られる接合品は、塑性変形を伴って接合しているため、材料の加工硬化が起こって材料硬度が向上しています。そのため、めっき処理等では得ることができない高い材料硬度により、耐摩耗性を向上させることが可能です。
(4)適用できる材料の拡大
AKROSE によって冷間圧造が可能な材料であれば接合できるため、めっき処理が困難なアルミニウムなどもめっき皮膜に相当する金属として被覆することが可能です。
■ 製品仕様
適用材質 :鉄、銅、アルミニウム など
部品サイズ :軸径φ3~φ10mm
部品形状 :板部と軸部からなる形状を基本とします(ご要望に応じて後加工を加えて完成させます)
皮膜厚さ :1 ㎜以上を基本とします
上記以外の仕様についてもご相談ください。
■ 今後の展開
(1)販売開始日
2023 年12 月予定
(2)販売目標
2024 年度に月産10 万個の出荷を目指します。
(3)販売ターゲット業界
自動車業界、電子機器業界、電池業界、家電業界など
■ 当ニュースリリース発信元
日東精工株式会社 経営戦略本部 経営企画室 マーケティング課 係長 有本 大祐
〒223-0052 神奈川県横浜市港北区綱島東6丁目2番21号
電話045-545-3316
以上