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未来開発パブリシティ委員会主催インドセミナー・サマリー(第2部)
2014年01月22日    カテゴリ:07.海外情報 

 

第2部 西橋時男先生ご講演サマリー

インド進出の現状とインドにおいて知っておくべきこと

 

講師

ウエスト・ブリッジ・アジア・パートナーズ株式会社 代表 西橋時男先生

丸紅株式会社に41年間勤務し、主として海外の電力、インフラ関連事業に携わる。海外営業で出張した国は、約40か国に及び、インドには通算10年駐在。1991年より1995年までチェンナイ(前マドラス)に丸紅社員として駐在、2008年より2013年3月まで丸紅よりJETROムンバイ事務所に出向、投資アドバイザーとして日本企業のインド進出を支援している。

ウェブサイトはこちらから→ ウエスト・ブリッジ・アジア・パートナーズ株式会社

 

 

インドに対する関心が高まっている

今日お話ししたいことは、日本の将来にとって、若い人たちの将来にとって、インドは非常に重要だということです。そういう観点でお聞きいただきたいと思います。

まず日本企業の現状ですが、在インド日本大使館のまとめによると、日本企業のインド進出は、過去4~5年で社数、拠点数ともに2倍以上に増加しています。中国に比べると数は少ないですが、インドに対する関心が高まっている証拠だと思います。

地域別の伸びを見ると、デリー首都圏近郊が一番多く、その次がチェンナイ、次がムンバイ周辺、バンガロール周辺という順です。なぜデリー首都圏が多いかというと、スズキやホンダが昔から進出していて、自動車の部品会社が増えているということと、パナソニックが家電工場を持っていることなどによります。チェンナイは日産が進出ずみ、今後イスズが進出予定です。しますが、シンガポールとかASEANに近いこともあってチェンナイへの進出企業数が伸びているのだと思います。

 

欧米企業、インドの地場企業に対してビジネスチャンスがある

日系機械大手の、生産地域と品目を見てみます。

「日系機械大手 生産地域、品目」

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デリー首都圏は、スズキが乗用車、ホンダがバイク、パナソニックが家電を作っています。みなさんのネジはこういうところにも需要があります。

今ホットなのは西部地区(グジャラート州、マハラシュトラ州)です。私が現地に駐在して感じるのはムンバイを含む西部地区に対する日本企業の関心がまだ低いということです。ぜひ西部地区に対する認識を深めていただきたいと思います。日本ではあまり知られていませんが、三菱重工が重電機を作っていますし、日立はエアコンやインバーター、シャープは液晶テレビの組み立て、スズキは2016年に乗用車の生産を西部のグジャラート州で開始します。ホンダも2輪車の生産を開始するといわれています。千代田化工は中近東地域の拠点として活用しています。三菱電機は、インドのマハラシュトラ州プネーのFAの工場を買収しました。川崎重工はバイクを作っていて、強化する方針だそうです。つまりここ数年で、みなさんのお客様が西部地区で急増するということです。

南部(チェンナイ、バンガロール地区)は、日産が乗用車、いすゞが軽商用車およびSUV、ヤマハが二輪車を作っています。東芝、日立は重電機、トヨタは乗用車、ホンダも最近二輪車の生産を始めました。コマツとコベルコも建設機械の工場を持っています。

東部地区では日立が建設機械を作っています。

このように、インド全国にみなさんの重要なお客様があります。ということは同時に欧米のメーカーも進出している。つまり日本企業だけではなく、欧米企業、インドの地場企業に対してもビジネスチャンスがあるということです。特にデリー首都圏、西部地区とチェンナイ、バンガロール地区で、お客様がみなさんをお待ちしているとご理解いただければよろしいかと思います。

日本から見るとチェンナイが重要な工業地帯と思われるかもしれませんが、実は工業生産のNo.1はグジャラートです。2位はマハラシュトラ、チェンナイがあるタミールナドゥは3位です。西部地区のグジャラートとマハラシュトラで、工場総生産の33.7%を占めています。ですからみなさんのお客様が特に多いのは、西部地区です。

「工場総生産シェア(2009年度)」

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インド企業とのM&A事例

日本の自動車部品会社は、日本の自動車会社の工場の近辺に進出しがちですが、横浜の自動車用ばねの世界的に有名なメーカーである日本発条は、インド総合戦略を推進していて、企業買収、新設によって、できるだけ日本の自動車メーカーと離れない距離を保って、工場を建設・運営する方針をとっておられます。

日本発条は、2011年、1800年代にインドで2番目となる株式会社を設立した老舗企業のばね部門を買収しました。西部マハシュトラ州のオーランガバードにある工場で、30億円程度の見事な買収でした。

オーランガバードで作られているばねは、北部のスズキ、バンガロールのトヨタに納品されています。遠くても構わないという自動車部品の会社もあるのです。日本発条のM&Aの際は、地場のコンサルタント会社、SKPとうまく連携して、コストを抑えて買収しました。通常M&Aというと大手の都市銀行などを活用して、数億円のコストをかけますが、おそらくコンサルタント料は数千万円だろうと思います。こういう会社もあるのです。

 

鉄道、原子力にもチャンスがある

みなさんの業種でも、今後チャンスが拡大するのではないかと思われるテーマがいくつかあります。

現在高速鉄道(新幹線、アーメダバード・ムンバイ間)の話がホットになっていて、実現は簡単ではありませんが、これが実現しますと、みなさんのビジネスチャンスがおおいに広がってくると思っています。

2013年にはロシアが作ったチェンナイ近郊の原子力発電所が稼働を開始しました。ゴルバチョフ時代から持ち上がっていた話です。東日本大震災の関係で工事が遅れたということもありますが、10数年の建設期間を終えてやっと運転にこぎつけました。

原子力についてはいろいろ議論がありますが、インドは世界最大の原子力発電のビジネスチャンスがある国です。ここにもチャンスがあります。

また重電機に関しては、インドは世界有数の市場です。三菱重工をはじめ、チェンナイに日立、東芝が、重電機の工場を合弁で立ち上げています。こういうところにも、みなさんのチャンスがあるのではないかと思います。

 

南部地区の商圏拡大の可能性

日産は、2014年の1月ごろに、かつて一斉を風靡したダットサンを発売します。日本からの協力も当然ありますが、インドで開発して大々的に販売していきます。したがって南部チェンナイ地区の自動車生産が急速に増える可能性があります。下馬評では、発売されたらかなり予約が入るのではないかといわれていますから、南部チェンナイの日産は、自動車部品会社にとっては大きな商圏になるのではないかと思います。

 

インドを世界への供給ハブにする

長野の小諸市にある日精エー・エス・ビー機械株式会社という会社は、ムンバイ近郊に工場を持っています。作っているものは、ペットボトルの成形機です。小諸の工場は従業員100名程度だそうですが、ムンバイの工場は1000人です。インド国内だけではなく、ヨーロッパ向け、アフリカ向け、北米向けの輸出が中心の工場です。インドという難しくて、電気もない、水もないという不便なところを、世界の機械の供給ハブにしている日本の中堅企業があるということを、みなさん認識していただきたいと思います。

インドは電力供給が大変で、電力コストがかかるという通念がありますが、改善している州もあります。日精エー・エス・ビー機械の工場があるマハラシュトラ州、その北のグジャラート州では改善していて、特にグジャラート州では停電はありません。ムンバイも、2012年に停電ゼロになったそうで、日精エー・エス・ビー機械は、年間6000万円ぐらいの電力代がセーブできたそうです。電力供給の良いところもあるのです。

2013年の2月に、私も現地の工場に行きましたが、実際の経営はインドの方がやっているということでした。さらに8月にはその方が日本の親会社の執行役員に昇格されて、現地はインドの方が社長になられました。インド人を有効活用して、インドから世界へ羽ばたくという日本の地方の中堅企業もあるのです。

このほか、広島のHIVECという会社は、2013年からチェンナイで、自動車部品のエンジニアリング業務を開始しました。

また新潟市のツバメックスという鋳型の会社は、現地企業と合弁で、自動車部品や家電関係の金型の設計・製造を始めました。

このように、地方の企業も果敢に進出し始めています。

 

GEは日本企業以上に進んでいる

日本の大手企業もインドに進出していますが、それ以上にインドに食い込んでいるアメリカのGEの事例をご紹介します。GEは重電機や風力、航空機エンジンの製造など非常に多面的に行っている会社で、インドのバンガロールにあるR&Dセンターでは1600件の特許を申請し、そのうち400件の特許を取得しています。

医療機器は、中国、アメリカ、インド、日本を使って、グローバルに先進医療機器を開発しており、バンガロールのR&Dセンターが本部になっています。グローバルプライスの15%安い医療機器を、インドの農村の病院に納入するということで、現地の技術者を使って、割安の医療機器の開発を進めています。

GEのR&Dセンターでは3000人が働いています。日立もインドをR&Dセンターにするそうですが、2年後に30~40人ということですから、全然レベルが違います。

 

インド中間層増加はあらゆる市場を拡大する

インドが日本にとって大事だという理由の一つは、ASEAN諸国と比較して、GDPの規模がダントツで高いことです。

「インド・アセアン 名目GDP」

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日経新聞は2020年には、インドの中間層が爆発的に増えると報道しています。中間層が増えるということは、車も買うし、家電も買うし、電気も使う、建設機械も売れる。ですからインドは自動車だけではなく、何から何まで生産量が増えていく、大きな市場なのです。

また組織化された工場での労働者数を、中国、ロシア、アメリカ、イギリス、インドネシアと比較すると、インドは最低数です。インドの製造業は離陸前ということ。つまりこれからインドの製造業は成長が見込めるのです。

 

ASEAN新興国だけでなく、インドにも関心を払うべき

日経新聞の2013年11月の報道で、シンガポールのリー・クワンユー公共政策学院長で、2004年までシンガポールの外交官として活躍したキショール・マブバニという方が、日本に対してエールを送っています。

「日本企業は、インド市場と東南アジア諸国連合(ASEAN)市場に等しく注意を払うのが賢明である。幸いにも、日本とASEANとの結びつきは長く、日本企業はASEAN市場を熟知している。しかしインドについてはそうではない。」

ASEANだけではない、インドも大事。みなさん目を覚ましてほしい。中立的なシンガポールの有識者がこういっています。

また「日本企業はインド市場で韓国企業に遅れている」、「低迷気味のインド経済は力強い回復が確実」だともいっています。インド民族はアメリカで大変成功していて、インド系米国人は一般的なアメリカ人よりも所得が高くなっています。もしインドの人々が、インド系米国人の所得の半分でも達成したら、インドのGDPは現在の2兆ドルから25兆ドルに飛躍的に増加する。つまりインドは力強く回復するのは確実、アメリカで活躍しているインド民族を見なさいということです。

「日本企業と日本政府が共同歩調をとることが必要」ともいっています。現政権はそのような方針をとっていますので、地下鉄や高速鉄道など、政府の案件に乗っていって、ビジネスを発掘していくのがインドに対するアプローチのしかたではないかと思います。

最近ミャンマーが脚光をあびていますが、そういうASEANの新興国だけでなく、インドにも等しく関心を払ったほうがいいということです。今日一番お伝えしたかったのは、ここです。

 

「インド最重点」

期せずして、パナソニックは「インド最重点」を打ち出しました。先ほどGEの話をご紹介しましたが、パナソニックも2014年1月にR&Dセンターを作ります。これはインド人の好みに合う家電製品を、インド人を使って開発するというものです。まさに流れに合致しています。米国、中国で苦戦していて、シェア拡大にはインドの中間層の開拓が必要という考えで、部品の現地調達率も3割から6割に上げるということですから、みなさんがインドに進出したときにはチャンスになると思います。

 

インド経済は回復の兆し

現在のインド経済は、若干回復の兆しがあります。経常赤字は金融政策の最大の課題ですが、それが大幅に下がりました。理由は金の輸入を抑制したからです。インド人は金が大好きで、金があまり取れないので輸入しているのですが、その量が莫大なので、経常収支が赤字になる。それを関税引き上げなどによって抑制した効果が出ています。

 

製造業GDP比増加により雇用の拡大を

今のインドでは製造業のGDP比が15%しかなく、雇用が生まれないことが課題ですが、政府は25%まで増加する国策をとっています。これに関して国営重電機会社のBHELの幹部が、「製造業の生産増加には、製品とプロセスのイノベーションがもっとも重要」だといっています。ここは日本企業がもっとも貢献できる部分ではないかと思います。25%に増加することによって9000万人から1億人の雇用増が期待され、製品マーケットは格段に大きくなるでしょう。

 

インド総選挙にも注目

インドでは2014年5月までに総選挙があり、国の新たな首相が決まりますが、今のところ野党側のモディ氏が有力ではないかと取りざたされています。インドはパキスタンや中国との国境問題とか、パキスタンからのテロ問題とか、いろいろな国際問題を抱えていますが、それらは棚上げにしておいて、「製造業の強化を優先する」とモディ氏は述べています。自動車、ハイテク、医療分野で輸出産業を育成する、これに絞るといっています。

現在モディ氏はグジャラート州の州首相で、同州へのフォードの進出、スズキ、ホンダの進出を推進しています。グジャラートは、お酒を公の場で飲めないインドで唯一の州ですが、お酒の好きな日本人用に、グジャラート州に日本人ニュータウンを作るといっています。もし自分がインドの首相になったら、これを全国に広げるともいっていますし、日本に対しては、おおいに期待してくれています。来年もしモディ氏が首相になれば、さらにインド経済は回復するのではないかと、私は考えています。親日的で経済優先、製造業優先であるモディ氏が首相になる可能性があるということに、みなさんも注目していてください。

 

今後の自動車産業は5000万台

自動車産業の可能性について、インド、日本、中国を比較すると、人口はインドが12.4億人、中国が13.4億人、日本が1.27億人ですが、自動車保有台数は、インドが2120万台、日本、中国が約7000万台ぐらいです。

「大きな成長力を秘めたインドの自動車産業」

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インドが日本や中国に追いつくのはもはや時間の問題で、今後少なくとも5000万台はインドで生産されることになります。重電機も建設機械も家電も同じくらいの規模の生産が行われるでしょう。これだけの潜在力がある、これだけビジネスチャンスがあるということです。

 

自動車業界地図

各論では、1位はスズキ、2位が韓国の現代自動車、3位以下は、あのトヨタでも凸凹があって、決して好調とはいえません。インドの自動車会社であるタタモーターズも若干低迷しています。

「新車国内 月間販売推移」

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「インド 国内新車販売 3位以下の自動車メーカー」

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最近のトピックスではホンダがかなり回復してきており、トヨタ、ホンダは、鍔迫り合いをしている状況です。1年後にどこが上がっていくかが、私にとっては興味の的で、いかに売れる車を作れるかによって、みなさんが納入を予定している自動車会社の運命が決まってくるのではないかと思っています。日産も今は下のほうですが、2014年初頭に新発表するダットサンが売れれば、納入チャンスが広がると思います。こういう業界地図も、ご承知おきいただきたいと思います。

 

日本車シェアは50%をキープ

本車の中国でのシェアは16.9%しかありませんが、インドでは50%以上で日本勢ががんばっています。スズキ、トヨタ、ホンダ、日産の乗用車販売を月ごとに見ると、ずっと50%以上キープしています。中国と違って、日本勢が半分以上のシェアを握っているということですから、インドでいいネジを安く作れば買ってくれます。これは必ず頭に置いておいていただきたい。私の個人的な見解では、日本車のシェアが50%から下がることはなく、さらに上がるのではないかと見ています。

 

今後は西部、南部に進出すべき

今後自動車生産が増えるのはどこでしょうか。

インドの北部は、日系勢ではスズキとホンダの工場がありますが、西部には現在ありません。南部には日産およびトヨタがあります。ですが南部の自動車生産量が多いのは、韓国の現代自動車です。

2014年からは、フォードが西部のグジャラートで生産を開始し、乗用車とエンジンを作るようです。フォードは、インド国内市場のみならず、インドからの輸出も計画しています。スズキは2016年から西部に進出します。このフォードとスズキによって、数年内に西部の自動車生産台数が増加することが予想されます。

チェンナイも日産のダットサンの販売が好調であれば、さらに増加します。したがって、インドの自動車生産基地で今後伸びるのは、西部と南部です。このことをぜひ頭に入れておいてください。多くの企業がインド北部に進出しているから、自分たちも北部にという風に考えないでいただきたいと思います。

 

ルピー安による輸出増はチャンス

インドルピーは、米ドルに対し1年間で約20%安くなりました。そのためインド製の自動車部品の輸出にとっては大きなビジネスチャンスです。インド製の自動車部品も自動車も、結構質が良く、ルピー安でもあり、インドの自動車部品各社は現在輸出に力を入れています。

スズキの例を見ると、アメリカにもヨーロッパにもアフリカにもオーストラリアにも輸出しています。

「スズキ インドからの乗用車・輸出」

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スズキにとってインドの工場は、グローバルな乗用車の輸出拠点なのです。韓国の現代自動車も同様です。フォルクスワーゲンはインドで不振ですが、ルピー安によりメキシコに年間10万台を輸出するとしています。

みなさんの部品はインド国内で販売される車だけではなく、インドから輸出される車でも使われるということ、インド市場のみなさんのマーケッとはインド国内だけでなく輸出用もあるということを頭に入れておいてください。

 

乗用車生産、2年後には510万台

インドの乗用車生産は、2年後には510万台になるという予測が、インド自動車工業会から発表されています。日本は、2012年度実績で328万台ですから、すぐにインドが日本を上回ります。日本より大きな市場がインドにはあるのです。

またインド自動車部品工業会では、自動車部品の輸出が2012年度の9.3億ドルから、15年には12億ドル、20年には30億ドルになると予測しています。輸出先はヨーロッパ、北米、アジア、それぞれ30%前後です。

 

日本の自動車部品会社も動き出した

2013年11月、JETROの自動車部品展示会・商談会がチェンナイとプネーでおこなわれました。日本の自動車部品会社は、チェンナイでは25社、プネーでは17社が参加しました。これらはまだインドに進出していない、あるいは他の地域に進出しているが今後チェンナイやプネーにも進出したいという自動車部品会社です。こういった形で、ようやく日本の自動車部品会社も動き出しています。

 

以上

未来開発パブリシティ委員会主催インドセミナー・サマリー(第1部)は、こちらから。

 

(記事 ワッツコンサルティング㈱ 杉本恭子)

 

未来開発パブリシティ委員会主催インドセミナー・サマリー(第1部)
2014年01月22日    カテゴリ:07.海外情報 

去る、12月17日に行われた、未来開発パブリシティ委員会主催「インドセミナー」のサマリーを2回に分けてご紹介いたします。

 

開会挨拶 

未来開発パブリシティ委員会 国際情報リーダー 長谷川恭裕氏(株式会社メイドー代表取締役社長)

 未来開発・パブリシティ委員会は、2010年に協会50周年記念行事として「ねじフォーラム」を開催して以来、「会報ねじ」のIT化と情報の提供を通じた、会員サービスの拡充を進めてきました。今後とも、「未来開発」を冠した委員会活動の一環として、セミナーなど、次代のねじを担う方々が集まり、研鑽を深める場を提供して参りたいと思います。

 今回は、その最初の試みとして、注目を浴びるインド情勢に詳しいお二人の専門家を招き、ご講演いただくことにしました。今後とも、このような機会を充実して参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 

第一部 伊藤洋先生ご講演のサマリー

「今、何故インドなのか」 -注目集まるインドものづくり市場-

 

講師: 東京大学 大学院経営学部研究科 ものづくり研究センター 特任研究員 伊藤洋先生

1965年 山形大学 工学部を卒業後、本田技研工業に入社。金型設計、4輪車体生産技術、新生産技術開発、英ローバーへの技術支援などに携わり、ホンダエンジニアリング取締役を経て、2004年より現職。インドの自動車、部品産業を知る、第一人者といわれている。

 

インドは多様性と自由度の高い国

インドはどのような国なのか。面積は3,287,590㎢で日本の約9倍、28もの州からなっています。とにかく大きいということ。これをまず頭に入れておかないと日本と同じ感覚で考えてしまいます。

人口は約12億1000万人で日本の約10倍、しかし平均寿命は65歳です。GDPは伸びており、人口もどんどん増えて活性化しています。

22の指定言語があり、派生を含めると844もあります。

宗教もたくさんあります。「カースト」はご存知かと思いますが、実はインド全体ではなくヒンズー教にしかありません。イスラム教徒も12%います。人口1億5000万人のパキスタンは大半がイスラム教徒ですが、インドの人口の12%はパキスタンの人口よりも多いのです。

インドというと、カレー、タージ・マハル、象などを思い浮かべるのではないでしょうか。ターバンのイメージも強いと思いますが、実際はシーク教徒である2%の人だけが巻いています。女性が着るサリーは布を巻くだけなので、太っても痩せても着られるフレキシビリティがあります。インドはこういう発想をします。体にぴったりしている中国のチャイナドレスとは、まったく逆の発想です。

インドはとても多様性の国、自由度のある国です。共通点はインドに住んでいることぐらいしかない。ですから28州はそれぞれ「国」と見て、「インド版EU」と考えるべきです。国を理解するにはデータばかりではなく、こういうことを知ることがとても重要です。

 

現在のインドは購買力が強い

現在のインドは、都市部にはショッピングモールもあり、IT産業も増えています。空港もとても良くなりましたし、最近はスラム街がどんどん減少しています。地下鉄(メトロ)もあります。たいていは車より高いところを走っていて、たまに地下に潜ります。

女性の社会進出も進んできました。経済が発展すると人が足りなくなるので、女性が工場やIT産業に進出しています。スクーター乗車の80%が女性で、女性高級官僚も誕生しています。

携帯電話の使用も急速に伸びています。人口比で75.4%、9億1000万台が使われています。でも日本の携帯電話は使われていない。なぜなら、性能が良くて機能も多いが、値段が高い。むしろ多くの機能は必要なく、逆に停電の多いインドの携帯電話に必要なのはライトの機能。このような視点が大事です。インドの事情を考えて、必要な機能だけを安価で提供したノキアやLG、サムスンは伸びています。

インドの購買力平価換算GDPを見ると、2010年にはインドが日本を抜いています。GDP全体では日本のほうが高いですが、購買力平価という点で見るとインドが抜いているのです。

では労働力人口構成はどうか。2010年時点でインドは平均年齢24歳、日本は44.7歳。就労人口はインドが3億2000万人、日本は3500万人です。これが2025年には、インドの平均年齢は29歳で、就労人口4億3000万人に増えます。このような実態も理解しておく必要があります。

 

農業から工業へ

今インドで一番問題なのは、就労人口が多いといっても、その51%は農業で、GDPに貢献している割合は17%ということです。現在インド政府は、天候に左右されない工業に振り向けて、雇用なき成長から脱皮しようと考え、特に自動車、自動車部品、製薬に雇用を創出する政策をとっています。

ではなぜ自動車なのか。IT産業は売り上げは大きく輸出にも貢献しますが、雇用という面で人材が制限されます。自動車産業は、売り上げはIT産業の半分程度ですが、すそ野産業が広く多くの人を使うので、雇用の拡大につながります。

ただ自動車産業の欠点もあります。自動車産業が発展するには、エネルギーや道路といった、インフラ整備が必要ですが、まだまだ遅れています。そこで政府は、まずITでお金を儲けてインフラ整備をし、製造業を発展させて、雇用の増加につなげようと考えています。

「なぜ自動車か?」

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2006年からAMP(Automotive Mission Plan)を掲げ、2016年までに自動車産業総売り上げを340億ドルから1400億ドル、乗用車市場規模を100万台から350万台、雇用数を1045万人から4000万人、GDP貢献度を5%から10%にし、2006年に世界11位だったインド自動車生産台数を2016年までに7位の自動車生産国にしようと取り組んできました。実際2016年を待たずして、2010年には7位になりました。2012年には、中国、アメリカ、日本、韓国に次いで5位、2015年には3位、20年には2位になる見通しです。

「インドの自動車生産台数推移」

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注目のエリアは西部

インド北部と南部には日系企業もありますが、東西のエリアにはなく、現地のメーカーか欧州企業が多く進出していました。最近になって特に西部地区が注目され、日本企業ではスズキが進出します。

なぜ西部か。今までは東南アジアを見ていましたが、次に輸出するならば、欧州、中東、アフリカですから、そちらに輸出しやすい西部地区が注目されているのです。

インドには、世界各国から多くの自動車企業が集中しています。つまりインドに行けば、世界中の自動車メーカーにネジを供給できるのです。

「インド国内に立地する主な自動車メーカー」

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現在のインドは1960年代日本

GDPの伸びと車の台数の伸びは、大体比例します。インドの現在の1000人当たりの自動車台数は12~15台、一人あたりのGDPは1527$。これはちょうど1960年代の日本の状況と同じです。当時の日本は車を持つのが夢の時代。これが今のインドです。日本の歩みを見ると10年後には車はファミリーの必需品となり、GDPもどんどん増えました。おそらくインドも同じような道をたどると考えられます。

現在のインドでは、オートバイが必需品で車に乗っている人はまだ珍しい状況です。道路には、人も車も、牛やラクダもいます。道路は車だけのものではないということです。したがって車は一番遅いものに合わせます。都市では急激に車が増加していますが、交通ルールは十分に整備されていません。日本で車の安全というと「車対車」ですが、インドでは「車対人」です。信号はあっても無視しますし、高速道路の中にも人も牛も入ってきます。

また都市部では、大気汚染が深刻です。古い車が多いことに加え、特に冬場はたき火で暖をとるので、太陽がぼやけて見えるほど空気が濁ってしまいます。大気汚染の問題は中国だけではなくなってきました。

インドでは車はどのように使われているかを見てみましょう。インドでは追い越すときにはホーンを鳴らします。日本ではあまり鳴らしませんが、インドでは一日中鳴らします。また交通ルール無視なので、急ブレーキも頻繁です。ホーンやブレーキの耐久性をテストするなら、インドでやるといいといわれるほどです。

4人乗りくらいの車1台には6~10人、バイク1台にも5~6人乗ります。ですから、インドで使用する車はサスペンションが強くなければなりません。さらにロックとヒンジにも強さが必要です。なぜなら何か不審なものがないかと頻繁に調べられるので、その度にボンネットとトランクを開けてはバタンと閉めるからです。

ネジはすべてに関係しますね。こういうインドの事情を知れば、インドなりの考え方をしなければいけないと感じていただけると思います。

 

インドのオートエキスポを世界が注目

インドのオートエキスポの規模は日本の比ではありません。2012年1月に開催されたオートエキスポの展示面積は日本の2倍くらいあり、ものすごく混んでいます。出展社数は2109企業、海外から30か国、2013年11月末から開催された東京モーターショーでは出展社数175企業、11か国でした。来場者もインドは200万人、日本は84万人です。

展示されている車は非常に多彩です。日本のシビックやカローラといったファミリーカーは、インドでは高級車の部類に入ります。

各国の自動車企業は、インドのオートエキスポを、完全に「小型車の発信ショー」としてとらえており、世界から注目を浴びています。大きなパビリオンが35ありますが、そのうち中国が6、ドイツが3、台湾と韓国がそれぞれ1つ出展しています。しかし日本はパビリオンがなく、自動車メーカーの片隅に間借りしているだけです。こういう大きな市場の中で、なぜ日本の取り組みはないのか。情けない感じがしますね。

インドの乗用車マーケットシェアの変遷を見ると、1980年代はインドの車だけでした。徐々にパイも大きくなり、1990年代には日本のスズキが入ってきて日本が80%を占めるようになった。2007年からは韓国、欧米も入ってきましたが、日本はまだ58%を占めていました。2011年には各国入り乱れ、日本はまだ半分以上を占めていますが、シェアは確実に小さくなっています。つまり競争が激しくなっているのです。特に欧米系のメーカーの伸びが目立ちます。彼らは本国と同じ製法で、インドで作ってそれを輸出することを考えています。

「インドの自動車OEM体制とグローバル化の変遷」

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小型車が中心

インドの自動車の今後を考えると、やはり小型車でしょう。インドにおける自動車の平均購入価格は80万円くらいです。最も売れた車は「アルト」で、価格は50万円です。先ほどの購買力平価換算GDPで考えると、インドの50万円は日本では200万円の価値と同等です。日本の200万円は、日本人が車を買うときの平均購入価格です。

インドの世帯収入も富裕層、中間層がどんどん増えており、現在2億2千万世帯のうち、4000万世帯は80万円のくらいの車を購入できる世帯です。ただ現時点での保有台数は1600万台ですから、残りの2400万台はすぐにでも買える状況にあるということです。

 

アフターサービス、多様な選択肢が重要

インドでの販売の仕方を考えるうえで理解しなければならないのは、「口コミ社会」だということです。長幼の序を重んじ、長老のいうことを聞きます。ですから影響力のある人に話をつければ、そこから伝わります。

インドは娯楽も情報も少ないですから、2大娯楽である「ボリウッド」と「クリケット」をうまく利用した戦略が必要です。またブランド信仰が強いので、十分な宣伝も必要です。

インドではアフターサービスも重要です。日本の製品は壊れないのでアフターサービスがいらないというのは間違いです。逆に壊れてもすぐ修理すればいいので、何より値段が安いことが大事、Value for money重視です。

またインドは多様性の国ですから、いろんな人がいて、それぞれが自分の意見を言いたいし、幅広い選択肢の中から自分で選びたいと考えています。

「インドの消費者像」

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たとえばヒュンダイは、非常に幅広い製品ラインナップをそろえて、大規模な広告宣伝によってブランドを浸透させ、アフターサービスを充実させています。一番重要な点は、インドの実情を知ってそれを反映していることです。インドにいる日本人は全体で5000人程度ですが、ヒュンダイ1社だけで家族も含めて約3000人が現地にいます。みんな現地語を話し、情報を吸収して反映している。これがヒュンダイが短期間でスズキ次いで2位になった理由かもしれません。

車の販売台数を助長する要因を考えると、まず収入が増えること。これはクリアしています。次に道路は、都心近郊では整備されてきていますが、山間部に入るとまだまだです。そして販売店、サービス拠点を多く作ること。あちこちにあって、仮に壊れてもすぐに修理してもらえる状況を早く作ることが重要です。

 

インドの強みは「人」「議会制民主主義」

「インド進出・取引にあたっての留意点」

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インドの一番の強みは、質の良い安価な労働力。

学識者は英語を含む、3か国語を話します。ただしワーカーは現地語でしかコミュニケーションしません。プラス面としては、熱心、向上心、論理指向、適応性、好奇心。ですが協調性は低いです。

議会制民主主義であることも強みです。ただし物事が決まるのは遅いです。

カーストは法律的にはありませんが、現地に配慮は必要です。

離職率を見ると、ホワイトカラーは10~20%、エンジニアは30~40%で、このあたりは少し注意が必要ですが、ワーカーは10%以下です。現地のタタモーターズの離職率は3~4%。それだけ福利厚生などが充実しているのです。

インドは超学歴社会で、IIT(Indian Institute of Technology)が最高学府です。中国人、韓国人はIITに入って一緒に生活しているので、一緒に学んだインド人が高い地位についても、電話で話ができる仲になります。日本人がインドの地位の高い人と話をするには、下のほうから順にたどらなければなりません。ですから日本人もIITに入って一緒に生活するとか、早くインドに行って一緒に仕事をし、電話で話ができるようなネットワークを作ることが大事です。

インドのパワーは人材、人材の輸出が一番ではないかと思います。現にアメリカの経営者の30%はインド人です。これだけ優秀な人がいるということ、インド人がたくさん世界で活躍しているということを、知っていていただきたいと思います。

 

インドの弱みは「インフラ」「労働問題」

インドの弱みはインフラ整備の遅れと労務問題です。

インフラ整備は中国と違ってなかなか進みません。中国は独裁制ですからお金があれば道路をどんどん作ります。しかしインドは、決まるまでに時間がかかります。

物流も課題です。陸橋や環状道路、自動車専用道路を建設していますが、州を超すたびに税金がかかりますし、物流のスピード化をなんとかしなければなりません。

また電力不足でもあります。地域によって状態の良いところもありますが、北部や南部は、1日に2~3回停電します。28州のうちの、12州では30~40%をロスしていますし、ロスが50%を超えている州もあります。

このような課題に対してインド政府は、2007年から2012年までに5000億ドル、特にユーティリティ(電気、発電)に1670億ドルを費やし、そのほか空港、道路、鉄道、港湾、通信を整備しています。2012年から2017年にも1兆ドルを予定していますから、良くなることは確実です。

もう一つの問題は労働問題で、厳しい労働関連法規があります。ちょっとした問題で暴動がおきますが、結局問題は賃金と昇給と待遇です。

インド人管理者は、英語と日本語を話せるので、労働問題をインド人管理者に丸投げしてしまいますが、管理者がワーカーに指示すると命令になってしまう。現地のワーカーは、賃金と、仕事内容や役職などのプライドを大事にするので、日本人経営者が、通訳を介してでも現地語で直接ワーカーと話をして、理解してもらうことが大事です。

労務問題に対処するには、人事・労務担当には信頼できるインド人を雇うこと。出身地に配慮した採用をすること、女性も採用することなどです。いろいろな人を雇えば、争議も起こりにくくなります。そして福利厚生を充実させ、満足度を向上させることです。労務管理は、ワーカーを含むローカルスタッフとのコミュニケーションを図り、相互理解と信頼を作れるかということがカギになると思います。

 

品質は上がっているが...

インドには約5000社の自動車部品企業がありますが、インド部品工業会ACMAのメンバーは691社。日本のJAPIAは446社ですから、日本よりずっと多いことが分かります。

ACMAのメンバーのうちISO9000は576社が取得しています。輸出をするために、品質に対しては関心高く取り組んでいるのです。またコストに対しては日本の生産活動を取り入れるなどして、安くて良いものを作ろうとしていますし、物流ではできるだけ現場の近くに倉庫を置くなどして、Just in timeの方向になってきています。

インドの部品メーカーの生産領域では、エンジン部品、トラスミッション、ステアリングで50%を占めています。要するに機能部品の生産が多く、それだけ高いレベルの技術を持っていると思われます。

部品業界の変化を見ると、1990年代はOEMが20%で、80%はアフターマーケットであったのが、2009年にはOEMが80%になっています。それだけQCDを満足する製品が作れるようになったというのが、インドの部品業界の現状です。

ただし、差はあります。確実にロードマップに基づいて品質管理を行っている工場と、名ばかりの工場があるのも事実ですから、上手に選択しなければなりません。

品質確保はどのように行われているのか。実態を見てみると、プレスの後に、多くの人手をかけてバリ取りをしています。完成品も最終的に全数修正検査を行い、いい品物だけ出荷する。ですからOEMのメーカーに届くときは良品ですが、製造中は不良品だらけということです。しかし生産性が高くなれば人手では間に合わなくなります。人手を機械に置き換えることが、これから進出するうえでは非常に重要なことになります。ネジ業界は機械のほうが多いので、ここはあまり問題にならないかもしれません。

ものづくりのレベルという意味では、経営者の改善意欲は高い。しかし稼働率管理や生産効率、推進体制などは弱い。ここを改善してあげなければばらないでしょう。

「ものづくりのレベル」

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これからの車作りの考え方

先進国では、これからの車は買い換えや買い増しですから、魅力ある車作りが必要です。しかしインドのような新興国は移動手段として新しく購入するので、低コストな車作りが必要です。ただしどちらにも共通するのは、環境、安全、交通システムなどをきちっと守るということです。

車づくりは「すり合せ技術」といわれていますが、最近の車は最終的にコンピュータがすり合せを行っています。コンピュータで一番大事なプログラム作成は、インドが得意とするところ。インドの得意分野は、これからの車作りにうまく利用されるだろうと考えています。

一方で環境問題、地球温暖化、資源、エネルギーなどの社会的な要求を考えると、ボルトも高機能で高強度、しかも安くということが重要になるのではないかと思います。

 

重要なのは「人財」を育成すること

現地のトップは、日本は「Forward technology」、つまり先進的な技術を持っていて、素晴らしい作り方も知っていると認識しています。韓国は「Reverse technology」、作られたものをうまく利用して、それを適合するような製品を作る。中国は「Steal technology」、盗んでしまうという認識です。インドは「Management technology」。アメリカの経営者の30%がインド人だというものうなずけます。やはり人なのです。

これからのものづくりは、労務費の安さではなく、日本の「Forward technology」とインドの「Management technology」をうまく融合させて、「人財」を育成することが重要になるでしょう。

日本政府もインドへの投資拡大を後押ししていますし、インドと日本は基本的な価値を共有している。こういうことを踏まえて、進めていく必要があると思います。

 

以上、第一部。

 

(記事 ワッツコンサルティング㈱ 杉本恭子) 

未来開発・パブリシティ委員会が、インドセミナーを実施
2014年01月18日    カテゴリ:06.未来開発・パブリシティ委員会の特集記事 

 未来開発・パブリシティ委員会は、2013年12月17日(火)、東京の機械振興会館にて、海外情報セミナー「インドセミナー」を開催しました。

 

 開会に当たり、同委員会を代表し国際情報リーダーの長谷川恭裕氏(メイドー)が挨拶し、開催趣旨を紹介しました。

 未来開発・パブリシティ委員会は、2010年に協会50周年記念行事として「ねじフォーラム」を開催して以来、「会報ねじ」のIT化と情報の提供を通じた、会員サービスの拡充を進めてきました。今後は「未来開発」を冠した委員会活動の一環として、次代のねじを担う方々が集まり、研鑽を深める場として、セミナーなども企画し、更なる充実をしていきたいと考えています。

  今回は、その最初の試みとして、注目を浴びるインド情勢に詳しいお二人の専門家を招き、ご講演いただきました。講師とそれぞれの演題は以下の通りです。

 

 ご講演の概要につきましては、以下に掲載しています。

  未来開発パブリシティ委員会主催インドセミナー・サマリー(第1部)

 未来開発パブリシティ委員会主催インドセミナー・サマリー(第2部)

 

 

「今、何故インドなのか」 -注目集まるインドものづくり市場-」

講師: 東京大学 大学院経営学部研究科 ものづくり研究センター 特任研究員 伊藤洋先生

1965年 山形大学 工学部を卒業後、本田技研工業に入社。金型設計、4輪車体生産技術、新生産技術開発、英ローバーへの技術支援などに携わり、ホンダエンジニアリング取締役を経て、2004年より現職。インドの自動車、部品産業を知る、第一人者といわれている。

 

 

「インド進出の現状とインドにおいて知っておくべきこと」

講師: ウエスト・ブリッジ・アジア・パートナーズ株式会社 代表 西橋時男先生

丸紅株式会社に41年間勤務し、主として海外の電力、インフラ関連事業に携わる。海外営業で出張した国は、約40か国に及び、インドには通算10年駐在。1991年より1995年までチェンナイ(前マドラス)に丸紅社員として駐在、2008年より2013年3月まで丸紅よりJETROムンバイ事務所に出向、投資アドバイザーとして日本企業のインド進出を支援している。

 

また、セミナーの様子につきましては、ファスニングジャーナル紙にも紹介されています。掲載記事をご紹介させていただきます。

 

海外セミナー.jpgファスニングジャーナルH26年1月1日付記事


 

鉄道車両製造工場を見学
2014年01月17日    カテゴリ:04.委員会・部会の動き、支部の動き 

関東支部(椿 省一郎副会長・支部長)は、昨年12月13日、年末恒例の工場見学会を実施。今回は、鉄道車両を数多く製造している株式会社総合車両製作所様の訪問となりました。

見学会に参加された協会の未来開発・パブリシティ委員会の西川倫史委員(日本鋲螺株式会社代表取締役社長)に、報告をまとめて頂きましたのでご紹介いたします。

尚、関東支部は、一昨年には日本航空株式会社成田機体整備工場見学会を行っており、その模様も以下から見ることができます。

http://www.fij.or.jp/blog/cat04/post-21.html



<関東支部、鉄道車両製造の株式会社総合車両製作所様を見学> 

 未来開発・パブリシティ委員会委員 西川倫史

 

鉄道マニアの私には「聖地巡礼」ともいうべき見学会

  今回は関東支部工場見学会ということで横浜の㈱総合車両製作所様を見学させていただきました。「総合車両製作所」というとピンとこない方が多いと思いますが、2012年にJR東日本グループ入りをし、「東急車輛製造」から「総合車両製作所」へと社名を変更しました。つまりこの総合車両製作所は、日本でステンレス車両を初めて製造した会社であり、かつ日本にある車両メーカーの中でJRから新幹線製造を許可された5社の中の1社であるということで、鉄道マニアには垂涎の「聖地巡礼」ということになります。
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(↑ ステンレス車両1号車の展示もあります)

 今回おじゃました横浜事業所は京急の金沢八景駅からすぐの場所にあり、まわりには「関東学院」「横浜市立大学」「横浜市立金沢高等学校」といった学校がそばにある文教地区です。その中では異彩を放つ巨大な工場なのですが、古くは日本海軍の航空技術廠がその地にあり、そこを引き継ぎ総合車両製作所の前身である東急車輛製造が設立されたという歴史があります。

さて、正門で手続きを済ますと総合車両製作所の社員の方が2名出迎えていただきました。案内していただいた建物はとても威厳のある建物で、社員の方にお伺いするとその建物は戦争中に海軍が建てたものだそうで70年以上経った今も現役で使用できるのはさすがだと思いました。

 

 車両の「構体」の変遷-設計部西垣部長講演から-

 工場見学に先立ち、設計部の西垣部長様から車両の「構体」(つまり車体)の歴史についての講演がありました。明治時代、西洋から鉄道が導入され、日本国内でも車両を製作するようになります。しかし、当時は車両製造の専門メーカーはなく、主に造船所で製造されていたそうです。それは、まだ鉄道車両が「木」で作られていたためです。

鉄道が普及し、車両も大型化されるにつれ、車両もボギー車(台車がついている)に変わっていったため木造では強度が不足し、構体は鋼鉄製のリベット留へと変化します。構造上どうしても床の強度が必要となり構体は溶接で接合されるようになりますが、床面を強化すればするほど重量は増加し、その影響で妻面、側面に使用する鋼板が薄くなるといった問題が出てきました。

そこで取り入れられたのが飛行機などで取り入れられている「モノコック構造」です。鉄道車両の場合、厳密には「セミ・モノコック構造」ですが、モノコック構造を取り入れたことにより構体を簡素化・軽量化することに成功しました。その代表的な車両が総合車両製作所で製造された「東急5000系」です。

その後も簡素化・軽量化の流れは止まらず、鋼板を使った工法では構体重量の削減が限界になりました。そこで目をつけたのがステンレス鋼とアルミです。

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 ←ご講演いただいた西垣部長(向かって左)

 

 

 



軽量化の進展 -ステンレスとアルミ合金の貢献-

ステンレスは文字通り「錆びない」ため、鋼板を使用した場合に必要な①腐食代を折り込む必要なくなりその分軽量化できることや、腐食しないことによる②メンテナンス簡素化、そのことによる③予備車の台数削減、④塗装の褪色による塗直しや日常洗車の回数削減など製造のみならず保守面においてもメリットがあるといえます。

しかし実用化は大変難しく、ステンレスは溶接すると溶接個所から応力腐食割れが発生することや、加工硬化が大きく塑性加工が難しい、なにより素材が高価であるといった問題があります。そこで総合車両製作所は、アメリカのバッド社から技術供与を受けてオールステンレス車両(東急7000系)を日本で最初に製造することに成功しました。その後、国鉄(現JR)205系に採用される際に、技術情報の公開という条件を総合車両製作所が受け入れたことにより、いっきに私鉄各社にステンレス車両が普及するようになりました。しかしステンレス車両というと総合車両製作所というブランドはしっかり築かれており、現在総合車両製作所で製造された最新型車両には「sustina」というブランドがつけられています。

軽量化ですが20メートル級車両の鋼板製が10tあったものがオールステンレス車両の第1世代で8t、その後、溶接技術の向上によりスポット溶接から現在の最新型(東急5050系)に使用されているレーザー溶接での接合により組上げられる構体の重量は、なんと5.9t台まで低減されています。

 通勤車両はステンレス、高速鉄道車両はアルミ合金の棲み分け

 いいことずくめのステンレス車両ですが、なぜか通勤車両にしか採用されません。その辺りを西垣部長にお聞きしたところ、①特急などの優等列車はデザインが大事なためステンレスの金属地が見えるようなのは好まれず、必ず全面塗装をするためステンレスの良さがいかされないこと。②優等列車の先頭車は流線型になっていることが多くステンレスでは加工が難しいこと。だそうです。そのためステンレス車両の先頭車にはデザインを反映しやすいようFRPを使用するものもあります。さらに南海電鉄の関空特急ラピートのような独特な先頭車両の形状の場合、ステンレス車両やアルミ車両全盛期に製造されながら鋼板製で製造したとのことでした。

一方、アルミ合金車両の歴史は、ステンレス車両の登場と同時期にはじまります。ステンレスとは違い、素材自体がもともと鋼板より軽いこともあり、軽量化に苦心する必要はないのですが、反対に柔らかすぎるため構体の強度を確保するとめ試行錯誤が続きます。アルミの板のみでは強度がないため、その板に骨になる部材を接合するのですが、当時はアルミの溶接技術がまだ確立されておらず、構体の接合は部分的にリベット留が採用されています。日本で最初のアルミ車両は、昭和37年に川崎車輛(現:川崎重工)が製作した山陽電鉄の2000系(第1世代)でした。その後MIG溶接、スポット溶接と接合方法が変化し、アルミ車両の製造方法が大きく変わるのは第2.5世代に採用されたアルミの押出形材です。従来は板と骨を接合していたものを押出金型を用い、一体成型することにより大きく工程を省略することができました。現在ではさらに強度を確保するため大型中空押出型材を用いて、外板と骨格の一部、外板補強を一体化(ダブルスキン構造)し、スポット溶接適用部位が大幅に削減されています。ところで肝心の車両の重量はというと、素材がやわらかい分補強が必要なため使用されるアルミ合金の量が多く、ステンレス鋼製車両とほぼ同じ重量だそうです。

このようなアルミ合金車両なのですが、①素材の価格がステンレス鋼より高い(必然的に車両価格が高い)②押出金型をつくるため量産しないと採算がとれない③事故等で構体が変形した場合、修復に熟練を要する等の問題があります。しかし、現在、新幹線はすべてアルミ合金車両となっており、デザイン的にも性能的にも高速鉄道車両はアルミ合金製というのが主流となっています。

 いよいよ、工場見学! わくわくです。

 さて、ここから工場見学です。最初に目に入ったのがJR東日本、秋田新幹線E3系です。スーパーこまちE6系が順次増車されるのに伴い、E3系の古い編成を廃車し、または比較的年次の新しい編成を改造するための入庫だそうです。

E3系を横目に進むとトラバーサーが目に飛び込んできました。トラバーサーとは鉄道車両工場では必須の設備です。自動車の組立工場のように車をコンベアに乗せて各工程を移動させるには鉄道車両は大きすぎるため、「構体組立」「塗装」「取付」「艤装」「内装」「台車」と建屋がわかれています。その工程の建屋に車両を移動させるための水平移動するエレベーターのようなものなのです。

 【構体工場】

はじめに構体工場を見学しました。当日は風が大変強く、引率していただいている西垣部長は、我々見学者が建屋に出入りする際に建屋内に風が入り込むことに非常に注意を払っておられました。それはアルミ合金の溶接をするのにアルゴンガスで周囲を囲んで酸化を防ぐようにしているため、風で雰囲気が飛んでしまわないようにするためでした。

建屋に入るとちょうど左手に北陸新幹線E7系を組み立ているところでした。車両は大きいので後で方向転換することが難しいため、構体を組み立てる時から方向(東京方面、金沢方面等)を決めて組み立てるそうです。随所に車両の端についている指示書にはどちら側かが書かれていました。

E7系の妻面をみると、先ほど西垣部長から説明にあったとおり、アルミ合金の板の間にアルミ合金のジグザグした板が挟まれている(ダブルスキン)構造がよく確認できました。驚いたことは妻面が六角ボルトで締結されていることでした。それはたまたま化粧室ユニット入れる必要がある車両の妻面だからなのかは確認できませんでしたが、アルミとアルミの接合に鉄の六角ボルトという選択が驚きでした。なおこの六角ボルトはパテで埋められて完成車両では見ることができません。

これほど細心の注意を払い組み立てられる構体ですが、通勤車両で20m、新幹線では25mの長さがあるため、やはり歪は発生するようです。実はこの歪を取る方法がまたびっくりです。構体断面のゲージを持った作業者が順番にゲージを構体に当てて行き、隙間を発見すると巨大なハンマーで力一杯ぶん殴るというものです。まさかの最新の新幹線がハンマーで叩かれているとは!びっくりしていると西垣部長が「わたしがハンマーで叩くと大変なことになります」とのことそれを聞きなぜかホッとしました。

 【艤装工場・内装取付工場】

次に艤装工場を見学しました。工場の半分は艤装するためのスペース、もう半分は艤装するパーツを所定の長さや大きさに加工して、車両ごとに集約するスペースとなっていました。そのあとの内装取付工場も同様ですが、購入品や支給品の多さにびっくりです。普段は近くで見ることのないパンタグラフや密着連結器、車両の椅子、つり革などは家に持って帰りたい衝動にかられました。

 【試験そして出荷】

こうして最後に台車を取付けてできあがった車両は、京急線と平行に走る試験線で走行試験、発注者の立会い試験を経て出荷されます。一部の私鉄、新幹線車両はトレーラーに載せて搬出されますが、JR・京急・その他私鉄のほとんどの車両を搬出するのは京急本線から工場内に伸びる支線を利用します。ここで「?」と思った方はかなりの鉄道マニアです。そうですJRと京急は線路の幅(ゲージ)が違う(JR:1067mm 京急:1435mm)のです。実はこの総合車両製作所-金沢八景-神武寺(逗子線)は日本で唯一の3線軌道(レールが3本)なのです。つまりJR向け車両は台車を交換することなくこの総合車両製作所から牽引気動車に引っ張られて京急の線路を神武寺まで走行、その後連絡線を通りJR逗子にある車両基地に搬入されます。

しかしどうして一民間企業である車両製造会社がこのような搬出路の優遇?があるのか尋ねたところ、このJRまでの連絡線路は日本海軍が敷いたものだそうです。

 

お蔭さまで大満足の見学会でした。総合車両の皆様に感謝します。

 最後に工場敷地の一角に保存されている0系新幹線の先頭車両の前で記念撮影をして見学会を終了しました。

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本当に今回の見学会は営業運転前の北陸新幹線E7を見ることもでき、また見学中にもこちらからの質問攻撃にも丁寧に答えていただき、一鉄道好きな筆者としてはお腹いっぱいで大満足でした。また工場のいたるとこに垣間見られる長い歴史をも感じることができる有意義な見学会でした。

日本鋲螺㈱西川倫史


【見学先会社の概要】

商  号:株式会社総合車両製作所(Japan Transport Engineering Company)
所在地:神奈川県横浜市金沢区大川3番1号
設  立:2011年(平成23年)11月9日
資本金:31億円
従業員:932名(2013年4月1日現在)

【日本ねじ研究協会】平成25年度事業の活動状況(中間報告)
2014年01月17日    カテゴリ:04.委員会・部会の動き、支部の動き 

 

 ねじの締結技術及び製造技術の研究と標準化を中心に事業を行っている日本ねじ研究協会の活動状況をご紹介します。

平成25年12月

日本ねじ研究協会・専務理事 大磯義和

 

1 研究委員会(委員長 澤俊行・広大)

 ボルト締結体の基本設計法をまとめた報告書を取りまとめ中です。

 項目は、1ばね定数、2内力係数、3ねじの締付け、4座面応力及び限界座面応力、5ゆるみ、6疲労、7実際の設計例などから構成する予定です。

 また、最近の話題提供として次の方々から発表があった。

 

  大塚委員(本田技研) 近年の締結技術研究課題

  両角委員(トヨタ) 座面応力及び変形解析

  石村先生(湘南工科大) 軸直角方向繰返し変位とゆるみ

  富士岡氏(トヨタ) ねじ締結のゆるみ

  渡辺委員(マツダ) 総合摩擦係数

 

2 標準化委員会(委員長 熊倉進・元神奈川大)

(1)ISO/TC1(ねじ)国内委員会(委員長 辻 裕一・電機大)

 ISO/FDIS 16239(ねじ測定用針)は、エディトリアルコメント付き賛成(2013-09-29)で投票。

 ISO 965-1(一般用メートルねじ-公差-第1部:原則及び基礎データ)は、改正4版(2013-09-15)が発行されました。

 

(2)ISO/TC2(締結用部品)国内委員会(委員長 萩原正弥・名工大、幹事 根本俊雄・元東大)

 ISO/TC2関係会議が2013年10月14日~18日に亘ってフランス・パリで開催され、萩原正弥氏(名古屋工業大学)が日本代表として出席しました。

 10月14日 ISO/TC2/WG13(座金及びねじなし部品) 平座金の公差・機械的性質の検討。

 10月15日 ISO/TC2/SC7(参照規格) 検査文書、締結部品用語の検討。

 10月16日 ISO/TC2/SC7(参照規格) 表面欠陥の検討。

        ISO/TC2/SC11(おねじ部品) ヘクサロビュラ穴の小サイズ追加の検討。

 10月17日 ISO/TC2/SC14(表面皮膜) 電気めっき、亜鉛フレーク皮膜の検討。

 10月18日 ISO/TC2/SC12(めねじ部品) プリべリングトルク試験の改正検討。

        ナットの機械的性質の改正検討。

        ISO/TC2(締結用部品) ビジネスプラン、各WG/SCの報告。

 

(3)日本工業規格(JIS)原案の作成

1)JIS B 1009 おねじ部品-呼び長さ及びボルトのねじ部長さ(改正) (委員長 賀勢晋司・元信州大、幹事 武藤治・メイラ)

ISO 888:2012,  Fasteners -- Bolts, screws and studs -- Nominal lengths and thread lengths (2012-04改正)に整合した国際一致規格(IDT)を作成・書面審議中です。

2)JIS B 1052-2 締結用部品の機械的性質-第2部:強度区分を規定したナット-並目ねじ及び細目ねじ(改正)(委員長 熊倉進・元神奈川大、幹事 山岸章・サトーラシ)

ISO 898-2:2012,  Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel -- Part 2: Nuts with specified property classes -- Coarse thread and fine pitch thread (2012-03改正)に整合した国際一致規格(IDT)を作成中で、JIS B 1052-6 締結用部品の機械的性質-第6部:保証荷重値規定ナット-細目ねじは廃止とする予定です。

3)JIS B 1053 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質-硬さ区分を規定した止めねじ及び類似のおねじ部品(改正) (委員長 熊倉進・元神奈川大、幹事 木田秀樹・互省製作所)

ISO 898-5:2012,  Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel -- Part 5: Setscrews and similar threaded fasteners with specified hardness classes -- Coarse thread and fine pitch thread (2012-05改正)に整合した国際一致規格(IDT)を作成中です。

4)JIS B 1055 タッピンねじ-機械的性質(改正)(委員長 賀勢晋司・元信州大、幹事 高木勝美・青山製作所)

ISO 2702:2011, Heat-treated steel tapping screws - Mechanical properties(2011-05改正)に整合した本体規定と、JIS独自の附属書規定を存続した改正案を作成・書面審議中です。

なお、タッピンねじの製品規格に附属書の規定を移した後に、この共通規格からは削除する方針で進める予定です。

5)JIS B 1189 フランジ付き六角ボルト(改正)(委員長 川井謙一・横国大、幹事 築山勝浩・佐賀鉄工所))

ISO 15071:2011,  Hexagon bolts with flange -- Small series -- Product grade A  (2011-06改正)及びISO 15072:2012,  Hexagon bolts with flange with metric fine pitch thread -- Small series -- Product grade A (2012-07改正)に整合した本体規定と、JIS独自の附属書規定を存続した改正案を作成・書面審議中です。

6)JIS B 1190 フランジ付き六角ナット(改正)(委員長 川井謙一・横国大、幹事 山岸章・サトーラシ)

ISO 4161:2012,  Hexagon nuts with flange, style 2 -- Coarse thread (2012-08改正)及びISO 10663:2012,  Hexagon nuts with flange, style 2 -- Fine pitch thread (2012-08改正)に整合した本体規定と、JIS独自の附属書規定を存続した改正案を作成・書面審議中です。

 

以上のほか、平成23年度作成のJIS B 1051ボルトの機械的性質(委員長 田中誠之助・田中熱工、幹事 築山勝浩・佐賀鉄工所)の改正案を見直し、ISO 898-1:2013, Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel - Part 1 : Bolts, screws and studs with specified property classes - Coarse thread and fine pitch thread(2013-01改正)に整合した国際一致規格(IDT)を作成・書面審議中です。

 

3 出版委員会(委員長 川井謙一・横国大)

 会誌44巻4号~11号までを編集・発行済です。

 会誌の電子書籍化によりホームページを利用した会誌閲覧を、平成25年9月から運用を開始しました。これにより、パスワードを付与されたねじ研の会員ならどなたでも閲覧できます。印刷製本した会誌も引き続き発行しています。

 平成25年度発行予定の製造ガイドブックの記事原稿を、会誌に順次掲載中です。

 広く一般に使われる「ねじ用語辞典」の作成を検討中です。

 

4 指導委員会(委員長 椿省一郎・互省製作所)

 定時総会での技術講演会(6月11日)「演題1:事故に見るものづくりの落とし穴(広島大学・澤俊行名誉教授)」及び「演題2:ボールねじ機構の非線形弾性挙動と超精密位置決め制御(信州大学・深田茂生教授」を開催しました。

 

以上。

日刊工業新聞に竹中会長のインタビュー記事
2014年01月11日    カテゴリ:10.事務局からのお知らせ 

『日刊工業新聞』(2014年1月8日(水)に、日本ねじ工業協会、竹中弘忠会長のインタビュー記事が掲載されました。以下に転載して紹介いたします。

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高付加価値化を追求するネジと関連機器 

ネジは社会の幅広い分野で活用されている基盤部品。その用途は実に多彩だ。高度化するモノづくりへの対応と需要喚起に向けたねじメーカーをはじめ、関連機器メーカーの製品開発も活発に行われている。2014年の年頭にあたり、日本ねじ工業協会の竹中弘忠会長へのインタービューを交えて、ネジの動向にスポットを当てた。 

今年の需要の見通しを聞く 

2013年のネジ業界の環境について総括すると。

 「秋ごろから建築・土木関係も動きだしてはきたが、好調なのは自動車産業用だけで、ひと言で言えば良くはなかった。ネジ需要の60%は自動車産業が占めるが、ネジ製造の企業数でみれば全体の76%は、自動車以外の業界向けのためだ」

 「弱電関係や一般産業、重化学工業も状況は悪い。工場をどんどん閉めて海外へ行く。そして今度は海外からモノが入る。残された日本の市場は需要が減っているうえに、外からは攻められ、残された国内市場での競争は増している」

 ‐円高是正による効果は。

 「一般のネジ輸出は円安になっても(円高で海外に移ったものが)戻っていない。1ドル=100円になれば、少しは戻って来ると思ったが。結局、円安に働いても、一端(調整先が)移ってしまうと、そのなかで人間関係もでき、とくに売る方は絶対離したくないだろうから歩み寄る。では、どの程度になれば戻ってくるのか。我々が言っているのは120円。120円になれば、失われた輸出(需要)が日本に戻ってくる」

  自動車向け好調を持続

間接輸出も増加見込める

  ‐今年の見通しについては。

 「自動車はさらに好調が続くだろうし、(円高是正で)大手企業が取ってくるプラントや一般産業機械などの製造が海外から戻りつつあり、ネジの間接輸出も増えるだろう。今年は昨年よりは良くなるのではないか」

 ‐日本ねじ工業協会の14年度計画は。

 「14年度は結束と活性化の年にしたい。活性化には魅力ある事業が必要で、その柱のひとつとして将来の国内検定化を目指す、協会認定の『ねじ製造技能検定』を行っている。協会認定の技能検定のテキストは作っているが、将来、国家検定試験を実施するには、国家検定用の教本がなければならない。新年度では、そのための教本づくりを進めていく」

 「これに関連して技能検定の審査にあたる検定委員のレベルをそろえることも重要だ。(協会実施の検定試験は)東京、大阪、名古屋で実施しているが、検定委員のレベルが同じでなければ、試験の公平性に欠く。このため、検定委員の研修も行う」

 ‐技術面や対外的な情報発信については。

 「協会の技術委員会を軸に工場で働く社員を対象とした研修会を地域ごとに実施しており、これは人気も高い。ネジ業界のレベルアップを図るもので、今後も重点をおいて取り組む。対外的な情報発信については、会報のIT化(メール配信)を実施しているが、会員以外にも発信するようにしていきたい」

 

出典:『日刊工業新聞』(20140年1月8日(水)、18ページ)

竹中会長は、インタビューの中で対外的な情報発信について、「会報のIT化(メール配信)を実施しているが、会員以外にも発信するようにしていきたい」と結んでおられます。

未来開発パブリシティ委員会は、今年の課題として会員以外への配信にも取り組んで参りたいと思います。

(未来開発パブリシティ委員会事務局)

 

「がんばる中小企業・小規模事業者300社」の選定について
2014年01月09日    カテゴリ:08.関係省庁からのお知らせ 

経済産業省は、革新的な製品開発、サービスの創造や地域貢献・地域経済の活性化等、
様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者・商店街の取組事例を
「がんばる中小企業・小規模事業者300社」及び「がんばる商店街30選」として選定し、
下記会員4社が、「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定されておりますので
ご紹介致します。(掲載順、敬称略)

1.株式会社ムラコシ精工

2.東海部品工業株式会社

3.株式会社音戸工作所

4.中国精螺株式会社


経済産業省中小企業庁では、3月3日及び4日に授賞式及び展示会を開催する予定。

  詳細は下記経済産業省のホームページをご覧ください。

 http://www.meti.go.jp/press/2013/12/20131225005/20131225005.html

中小企業庁北川長官の年頭所感
2014年01月08日    カテゴリ:08.関係省庁からのお知らせ 

                          ★年頭所感★

                                          
                                                中小企業庁長官 北川 慎介

 平成26年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

安倍政権発足後、長引くデフレからの早期脱却と経済再生を図るため、政府は「大胆な金融政策」、
「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」
の「三本の矢」を一体として強力に推進してまいりました。
その結果、実質G
DPが4四半期連続でプラス成長となるなど日本経済は着実に上向いております。
景気回復の実感も、少しずつ中小企業・小規模事業者や地域経済に波及し始めております。この実感をより多くの
皆様に届けられるよう、中小企業庁として
は、被災地の復旧・復興支援、小規模事業者に焦点を当てた施策展開、
日本再
興戦略で掲げた目標を達成するための新たなチャレンジの応援、消費税率の引上げへの万全の対応、きめ
細やかな資金繰り支援の5つの政策課題を中心に積極
的に取り組んでいきます。

 「被災地の復旧・復興なくして、日本の再生なし」。中小企業庁としても、まず取り組むべき課題は、被災地の
1日も早い復旧・復興です。景気回復の兆し
を、復興の加速へつなげていかなければなりません。
特に復興が遅れている地
域の中小企業等グループの施設等の復旧・整備を支援する中小企業等グループ補助金
については、これまで累計で549グループ、国費で2,820億円の支援を実
施してきております。
着実に進んでいる産業の復興の動きを確実なものとする
ため、被災した中小企業・小規模事業者の復旧・復興の
取組を引き続き支援し
てまいります。

 第二に、全国の中小企業の約9割を占める小規模事業者に焦点を当てた施策展開を図ってまいります。
既に、昨年の通常国会において8本の関連法案を一括で改
正した「小規模企業活性化法」が成立いたしました。
平成26年度当初予算案にお
いては、日本政策金融公庫による小規模事業者向けの貸付制度である「マル経融資」
の貸付上限額を1,500万円から2,000万円に拡大しております。さらに、
現在、小規模事業者の振興のための
「基本法」を次期通常国会に提出することを
目指しております。地域における重要な経済主体である小規模事
業者を施策の中
心に据え、今後もより一層、小規模事業者によるニッチな顧客への販路開拓や、地域の需要に
応じた新商品・新サービスの開発等を応援してまいります。また、
商店街に対する支援として、平成25年度
補正予算案では225億円を措置しており
ます。引き続き小規模事業者への支援に鋭意取り組んでまいります。

 第三に、「日本再興戦略」で掲げた3つの目標、

(1)開業率・廃業率を米国・英国レベル(10%台)に引き上げ

(2)2020年までに黒字の中小企業・小規模事業者を倍増

(3)2013年からの5年間で新たに1万社の海外展開

 それぞれの実現を目指し、新たなチャレンジを行う中小企業・小規模事業者を応援します。
具体的には、秋の税制改正
大綱で、中小企業投資促進税制の拡充・延長など大胆な減税措置を決定すると
ともに、平成25年度補正予算案では、
「ものづくり補助金」について、1,400億円を措置し、対象をものづくり
分野に加え商
業・サービス分野まで拡大いたしました。
また、昨年の臨時国会で成立させた産
業競争力強化法に基づき、意欲ある市区町村による創業支援体制の
構築を支援していくなど、今後も引き続き中小企業・小規模事業者の思い切った事業展開を支援してまい
ります。
これにより、中小企業・小規模事業者が収益を上げ、その収益の増加が従業員の賃金の増加や
所得の拡大に
つながり、これが消費の拡大を生む、という「経済の好循環」を実現していきます。

 
第四に、本年4月の消費税率引上げに向け、中小企業・小規模事業者が不当な不利益を被ることのないよう、
万全の
対応をとってまいります。既に、消費税の引上げが決定された翌日の10月2日に「消費税転嫁対策室」を
設置し、
新たに配置した474名の転嫁対策調査官の下、転嫁拒否行為等の監視・取締りを行っております。
また、中小企業関係団体とも連携し、事業者からの相談に対応する窓口を整備しているとともに、専門家による
出張相談も行い、引き続き積極的に広報・周知を行ってまいります。

 第五に、原材料・エネルギーコスト高の影響や消費税率引上げに万全を期すため、引き続き中小企業・小規模
事業者の資金繰りを支援してまいります。平成25年度
補正予算案においても、セーフティネット貸付の拡充や
借換保証の推進を図るこ
とに加え、老朽化した設備の更新や、給与支払い総額の引上げ等の実現に取り組
中小企業・小規模事業者に対して政府系金融機関の金利を減免し、地域におけ
る「経済の好循環」を後押しします。
また、経営者個人の保証に依存してきた従
来の融資慣行を改める画期的な内容を盛り込んだ「経営者保証に
関するガイドラ
イン」の運用が本年2月に開始されることになりました。これに伴い、利用を希望される方に専門家を
派遣する体制を整え、支援を行ってまいります。

こうした取組を通して、景気回復の実感を全国津々浦々、地域経済を担う中小企業・小規模事業者に行き届かせて
まいります。

  最後に、本年が中小企業・小規模事業者の皆様にとって大きな飛躍の年となるよう祈念し、私からの新年の
御挨拶とさせていただきます。

竹中会長 年頭所感
2014年01月06日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

Chairman Mr.Hirotada Takenaka.jpg
                 年 頭 所 感


                         一般社団法人日本ねじ工業協会                    
 

                     会 長  竹 中  弘 忠



 

平成26年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

平成25年は、超大型台風、集中豪雨、竜巻が世界各国を襲い大きな被害をもたらしました。
日本においても多くの人が尊い命を亡くされると共に、家屋の倒壊など大きな被害を被りました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに被災された皆様に対して衷心よりお見舞い申し上げる次第であります。

  さて、昨年の我が国経済は「アベノミクス」で始まり、消費税増税で終わった1年であったといえると思います。そのため年後半の景気は、政府経済対策並びに消費税増税前の駆け込み需要により内需を中心に堅調に推移したといわれています。しかし、納入先の需要業界によって多少の温度差はあるとはいえ、混沌とするエネルギー問題や電気料金の値上げなどの影響もあって、我々中小企業は「アベノミクス」の恩恵をまったく受けられていないといっても良いのではないでしょうか。

 国際通貨基金(IMF)の2014年の世界経済見通しにおける経済成長率は、米国は住宅需要の回復等で2.5%、中国が投資から消費へと持続可能な国内成長に軸足を移すなど若干成長は鈍るものの、中国、インド等のアジア途上国は6.5%(昨年は6.3%)、日本は、消費税増税等で1.25%(昨年は2%)の成長率となっています。その結果、日本や米国をはじめとする多数の国・地域で増大した政府債務問題とそれに関連する財政上、金融政策のリスクなど依然として下方リスクもありますが、世界経済全体で、昨年を上回る3.6%(昨年は2.9%)成長を予測しております。

 そんな中、今年は、東日本大震災の復興需要や東京オリンピック需要がねじ業界にも波及してくるとのではないかと期待はしておりますが、その反面、消費税増税の影響を受け、4月以降は住宅関係を含め内需の大幅な減少を余儀なくされることは間違いなく、我々ねじ業界を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況が続くのではないかと予測しております。政府のさらなる力強い経済対策を望むところであります。 

 特に、ねじ製品は、政府が掲げた新たな成長産業といわれている医療、航空、環境などの新分野においても重要な締結部品として既に使用されているわけであり、我々国内ねじメーカーは、これからさらなる高度化、高付加価値化、高品質化を目指した技術・製品開発を行って、海外製品との厳しい競争に勝ち残っていかなければならない状況にあるといえます。 

 当協会は、昨年4月1日より社団法人から一般社団法人日本ねじ工業協会へ生まれ変わり、新たな出発を致しました。本年の年頭挨拶は、「今年も相変わらず・・・」ではなく、「今年こそ」はという決意で、ねじ業界の発展をなお一層推進して、基盤強化を確実なものとするため、平成26年度事業を強力に推進して、会員の皆様をはじめねじ産業に携わる皆様のお役に立てるような協会を目指して努力してまいる所存です。 

 これまで、当協会の重点施策として実施してきた、ねじ製造技能者へのインセンティブ付与並びにねじメーカーが取り組む人材育成支援のためのねじ製造技能検定創設に関する事業(協会認定の実施、同講習会の開催)やねじ製造業の職業能力評価基準の活用促進等の資格委員会事業、ねじ産業の地位向上を目指す未来開発・パブリシティ委員会事業、加速するグローバル調達への対応のために国際協調・国際競争力強化をはかる国際委員会事業、工場見学会や講習会(研修会)開催等の技術委員会事業については、これまで以上に皆様からのご要望をお聞きしながら、各事業に取り組み成果を上げるために新たな一歩を踏み出して、その実現に向かって邁進していく所存です。会員各位、ねじ関連諸団体のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。 

 末筆ではございますが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

経済産業省 製造産業局 須藤産業機械課長 年頭所感
2014年01月06日    カテゴリ:08.関係省庁からのお知らせ 

年 頭 所 感

                                              経済産業省 製造産業局
                                              産業機械課 須藤 治                          

 平成26年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。 

昨年末、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略のアベノミクスの「三本の矢」により、我が国経済は着実に回復しつつあります。本年は、こうした動きを確実な成長軌道へつなげていくために「民間投資を喚起する成長戦略」を推し進め、長期にわたる低迷から復活に向けて歩み始めた我が国製造業の振興を強力に進めたいと思います。

  昨年12月に成立した産業競争力強化法には、成長戦略の確実な実行を図るため、企業の技術力や創意工夫を生かした新たな規制改革の道筋を創設する「企業実証特例制度」や「グレーゾーン解消制度」、事業再編の促進等の諸制度が盛り込まれています。また、民間投資活性化等のための税制として「生産性向上設備投資促進税制」の創設、「中小企業投資促進税制」の拡充を措置いたしました。

本年4月には消費税率引き上げが予定されており、増税後の反動減も懸念されているところですが、こうした影響によって景気の腰折れやデフレ脱却に向けたチャンスを逃してはなりません。そのため、上記の各種支援策を講じて国内景気の下支えや、果敢にチャレンジする企業を応援してまいります。 

また、アジアを中心とする新興国の成長を取り込み、日本の優れた技術を世界に提供していくことも重要な課題です。そのため、最先端のインフラシステム輸出や国内外の企業の連携等による海外展開を後押しすべく、関係部署とも連携しながら、トップセールスや海外進出のための環境整備等を積極的に実施してまいります。

 一方、中長期的な視点に立つと、我が国は高齢化や労働力人口の減少、エネルギー供給不安といった諸課題に囲まれており、課題先進国であるという状況に変わりはありません。こうした中、世界中の国々は、日本が如何に対処するのか注目をしています。そのため、今後ともこういった課題を解決していくと同時に、新しいビジネスをいかに創出していくのかということが益々求められています。

その一例として、昨年6月に閣議決定された日本再興戦略には、当課が厚生労働省とともに進めている「ロボット介護機器開発5カ年計画」が盛り込まれています。今や団塊の世代が65歳以上となり、今後10年間で日本の総人口に占める高齢者の割合は30%に達します。そのため、介護を巡る様々な課題に対して有効な手段を講じていくことが急務となっています。今後こうした課題解決の一端をロボット技術が担うとともに、関連するロボット産業がさらに発展するよう、各種施策を実施してまいります。

 産業機械課は、これからも皆さんの生の声を聞き、それを産業政策に反映させていきたいと思いますので、良いアイディアやお困り事があったら、気軽にお声を掛けてください。

 最後になりましたが本年が皆様方にとって更なる飛躍の年となりますよう祈念いたしまして、新年の挨拶と代えさせていただきます。