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12.協会役員ご挨拶

椿会長 2020年 年頭所感
2020年01月06日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

2020年 年頭所感

一般社団法人日本ねじ工業協会

会 長  椿  省一郎

 

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 新年を迎え、心よりお慶び申し上げます。

 平素より当協会の諸活動に対して、多大のご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 昨年も「九州北部の豪雨」「台風15号、19号」など大規模な自然災害にたて続けに見舞われました。被災者の皆様に心からお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧・復興をご祈念申し上げます。

 さて、世界は、政治、経済、社会、軍事、環境などあらゆる面で変革の時代を迎え、その変革の潮流は渦巻いていて、何処へ向かうのか予測不可能な時代に突入したと思われます。例えば、経済面では米中貿易摩擦が、拡大・長期化の様相を呈してきており、その影響による中国の景気失速はじめ懸念材料は多く、持ち直しが期待できる兆しが見えない状況かと思います。

 そうした先行き不透明の中にあっても、技術革新の波は、確実に怒涛の勢いで押し寄せてきています。

 例えば、自動車は100年目の大転換点【C:コネクテッド(つながる)、A:オートノマス(自動運転)、S:シェアリング(共有)、E:エレクトリシティー(電動化)】に突入し、流通システムにネットショッピングやキャッシュレスが実現し、輸送手段にドローンを使う実用研究に入り、IOTでは地球の裏側の機械設備や物の動きのみならず人の動きまで瞬時に把握する時代が訪れようとしています。

 こうした変革にどう対処するか、企業にとりまして舵取りの極めて難しい時代を迎えていると思われます。当協会としましては、皆様と情報交換を蜜にし、協会の立場で取組むべきことを模索して参りたいと思いますので、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

 本年当協会は創立60周年を迎えます。記念すべき年であり、未来開発パブリシティ委員会が中心となり、60周年記念事業の企画提案を担当して準備を進めています。新たな出発を迎えるにあたり、次世代を担う若手の方々が魅力を感じ、会員の皆様に必要とされる事業へと繋げられるよう企画して参りますので、積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

 また資格委員会によるねじ製造技能検定事業の推進や、来年にドイツねじ協会が訪日予定の日独交流について本年は新たな交流形式を確立するための準備作業を開始するなど、これまで実施してきた事業を引き続き着実に進めていきます。

 これからも皆様からのご支援をいただきながら、全会員の方々が是非参加したいと思っていただける事業を推進して参りたいと考えておりますので、宜しくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、皆様の益々ご活躍とご健勝を祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。

以 上

2019年「ねじの日」によせて
2019年05月31日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

2019年「ねじの日」によせて

一般社団法人日本ねじ工業協会
会 長  椿 省 一 郎

 令和元年、新しい御世の幕開けを平成両陛下への感謝の気持と令和天皇への信任を感じつつ平穏に迎えることができたこと、国民の一人として有難く思うと共に、令和(Beautiful Harmony)という元号の通り、うつくしく和やかな時代となって欲しいと念願します。さて令和の時代をどのように予測されるでしょうか。

 令和となっても国内の産業構造面では決して平穏といえず、少子高齢化は深刻度を増すばかりでしょうし、世界に目を転じると大変革の時代を迎えていると感じます。平成は東西冷戦が終わった年に始まり、多極化グローバル化のなかで13億人の中国が世界市場に台頭し、相対的に日本の国力や経済力が低下し、また第4次産業革命が始まり、加速度のついた技術革新のスピードに、いまや日本は遅れをとりつつあります。

 新時代では、AI,IOT、ビッグデータなどの革新的技術が社会基盤までも変革し、人も物も、その全ての面での状態や動き、内外面の微細な変化、置かれた環境条件までもが瞬時にデータ化され、蓄積された過去のデータと共に集計加工され、そして良くも悪くも利用出来ます。まさに監視社会であり、AIが人手に置き換わる社会の出現です。AI世界を制したものが、新時代をリードすることも考えられます。

 ねじ製造の世界もAIで、蓄積されたデータと共にリアルタイムで生産工程(人、設備、材料、方法)の条件や状態と変化のデータが把握でき、活用されるようになるでしょう。また実際に締結されている1本1本のねじに掛かっている負荷と状態、外力とその変化なども瞬時にデータとなって入手可能となる日も遠くないとも感じます。そこでは締結体の設計基準も変わるでしょうし、ねじに要求される仕様も変わる可能性大です。

 そうした時代の到来を目前に控えて、ねじ業界としての先進の情報収集することも必要と思います。先日の調査でも、協会に期待する活動のトップは、今後の業界動向に関わる情報交換であり、その為のネットワーク作りでした。そのような意図もあり、先進のドイツとの交流を推進することにしています。

 また2019年度の協会の事業では、これまでに8回実施され累計で377名の方が合格されているねじ製造技能検定事業、7月のプレス・板金・フォーミング展(MF-TOKYO 2019)への出展、2020年の協会創立60周年記念事業の準備、政府が創設した外国人材の活用制度への対応や女性活躍・高齢者活用など人材に関する事業などを推進することにしています。今後とも業界と協会の発展の一助となるよう努力して参りたいと思います。 

 ねじは、あらゆる分野で使用され役立っている基礎部品であり、なくてはならないものです。まさに「この世はねじでできている」です。6月1日を迎え、「ねじの日」が、ねじの正しい評価を一層広める機会となり、またねじに携わっていることの誇りを改めて思い起こす日となることを祈念します。

 最後になりましたが、会員をはじめねじ産業に関係する皆様方のご発展並びにご健勝を心よりご祈念申し上げて、「ねじの日」のご挨拶とさせていただきます。

6月1日ねじの日によせて(椿会長)
2018年06月01日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

2018年「ねじの日」によせて


一般社団法人日本ねじ工業協会

会 長  椿 省 一 郎

 

 日本経済は、いまや名目GDPは過去最大の551兆円に拡大し、一方少子高齢化もあり直近の有効求人倍率は1.58倍と44年ぶりの高水準となるなど人手不足は深刻度を増しています。

次のステップにジャンプするには、更なる拡大を担える人材の質を高める「人づくり革命」と生産性を高める「生産性革命」が不可欠です。

 そうしたなか第4次産業革命とも言えるAI、IOT、ビッグデータ、ロボットなど革新的技術が、あらゆる産業や生活に取り入れられ大きく変わろうとしています。国でも企業でも、「人づくり」と革新的技術を活用した「生産性革命」の二本柱が欠かせません。ねじ産業も例外ではありません。


 当協会では、ねじ産業の未来を展望し、「人づくり」の重要性を鑑み、その機会を提供し
一端を担えればと、昨年度も会員の自主的参加による様々な活動を推進して参りました。 


 ねじの重要性を広くPRして社会の理解を深め、ねじ産業従事者のモチベーションの向上に
資することを目的に、東京ビッグサイトで7月に開催された「プレス・板金・フォーミング展(MF-Tokyo2017)に出展し、「いつだって、どこだって解決する"ねじ"」をテーマとし、さまざまな分野で活躍する"ねじ"の世界を紹介し、1,400名を超えるブースへのご来場を頂きました。


 ねじ製造技能検定事業では、ねじ製造に携わる方々の知識・技能の向上と職業能力の
適正評価を目的に、東京、名古屋、大阪の3ヶ所で各3回の講習会を開催し132名が受講され、本年2月の7回目の協会認定検定試験では129名が受検され59名が合格されました。

 また技術面では、技能講習会や圧造スクールの開催、日本ねじ研究協会との連携事業を通じて技術力の更なる向上をはかりました。

 
 10
月には五地域ねじ協会交流大会を札幌で開催し、日本を含め121名が参加しました。
今回の主催者である当協会から「協会について相互理解を深める」ことと「参加者個人の交流を図る」の2点を提案し、前者では当協会の委員会活動の一部を紹介、後者では五地域のメンバーが混じって同席し、自己紹介や会社紹介など言語の障害を乗り越えて交流する初めての機会を提供しました。

 
 さらに10月下旬にはドイツねじ協会の訪日団を迎え相互の情報交換や企業訪問を行い、
また今後の交流と協力関係の継続を確認し友好な関係を築くスタートとなりました。

 

 今後とも夫々の活動の目的と目標を見定めて業界と協会の発展、そして人づくりの一助となるよう努力して参りたいと思います。 

 
 ねじは、あらゆる分野で使用され役立っている基礎部品であり、なくてはならないものです。
まさに「この世はねじでできている」です。

 6月1日を迎え、「ねじの日」が、ねじの正しい評価を一層広める機会となり、またねじに携わっていることの誇りを改めて思い起こす日となることを祈念します。

相澤会長 平成27年 年頭所感
2015年01月05日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

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      平成27年 年頭所感

一般社団法人日本ねじ工業協会
 会 長  相 澤 正 己

 

平成27年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年5月に6年間会長を務められた前竹中会長のご勇退に伴い、ご指名により会長職を拝命致しました相澤でございます。 さて、昨年は4月の消費税増税前の駆け込み需要により、3月までの消費は一時的に増加致しましたが、4月以降はとたんに消費者の財布の紐は固くなったようです。日本経済はアベノミクスを支える成長戦略を推進するために、政府・日銀の金融緩和政策により「円安」、「株価高」は進行していますが、本来これにより目指した「輸出拡大」と「消費拡大」は期待できる状況ではなく、デフレ脱却、税の増収、財政の健全化見通しも十分とは言えません。そして政府や有識者の予想に反し、GDPはプラス基調を持続せずにマイナスへと転じ、安倍総理大臣は今年10月に行われる予定であった消費税10%への増税を1年半延期することを決断しました。

 ところで今年の世界経済の予測を見てみますと、国際通貨基金(IMF)は昨年10月発表の世界経済見通しで、今年の世界経済成長率は3.8%まで上昇すると発表しております。先進国(地域)の成長見通しは2.3%を見込んでおり、主要国では米国が3.1%、中国が7.1%、ユーロ圏1.3%、ASEAN諸国5.4%、そして日本は0.8%となっています。また某銀行発表の今年の業界別見通しでは、我々の業界と関連している製造業で前年比増益と見込まれているのは、総合重機、自動車、産業機械、工作機械、運輸、建設としていますが、消費税増税の延期が日本経済にどう影響するのか注視しなくてはならないでしょう。 

 さて協会の事業に目を向けてみますと、重点事業の一つとして行っているねじ製造技能検定制度では、昨年開催した検定受験者向けの講習会には144名もの会員が参加され、2月には4回目を迎える2級検定試験を実施いたします。この検定制度については、講習会用テキストの見直し・充実に取り組むとともに、会員外の希望者も対象に機会を提供するなどの改善を図ってまいります。また未来開発・パブリシティ委員会では、今年7月に一般社団法人日本鍛圧機械工業会と日刊工業新聞社が主催する「プレス・板金・フォーミング展」への出展と、今年迎える当協会創立55周年にあたり、50周年事業の時に好評だった有識者によるフォーラム講演会及び次世代を担う管理職及び中堅リーダーによる参加型ワークショップの開催に向けての準備、また技術委員会と協調したJIS六角ボルト・ナットの規格改正周知活動などを引き続き進めてまいります。国際委員会では、海外五地域のねじ生産企業を会員とする団体との国際交流が今年は香港で開催が予定されており、有意義な実のある国際活動に取り組みます。今年も引き続き委員会・部会活動に皆様のご意見・ご要望を反映しながら推進してまいりたいと考えております。

 最後になりましたが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

ご挨拶 「会長就任にあたって」
2014年06月19日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 


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 この度、一般社団法人日本ねじ工業協会会長を仰せつかりました相澤正己でございます。

我が国ねじ業界の発展と、広く日本の社会に貢献できる業界となることを目指し、微力ではありますが全力を尽くす所存ですので、竹中前会長同様ご指導・ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 さて日本の景気はご高承の通り、昨年のアベノミクス効果から本年4月以降消費増税となり、景気の潮目が変わり先行きの見通しについて楽観・悲観が交錯して不安定な状況となっており、わが国ねじ業界も厳しい舵取りが求められております。

 

 特に最近の電気料等の資機材の高騰によるねじ製造企業の生産コストが大幅に上昇しているのに加え、これまで以上の海外への生産移転、雇用維持確保、需要業界からのさらなるコストダウン要求への対応等、既に一企業が経営努力によって対策を講じることが出来る限界にあり、このままでは企業存続それ自体が危ぶまれる状況にあります。その他にも海外企業などとの激しい価格競争・市場競争を強いられるなど熾烈な国際競争に生き残り、我が国ねじ産業の地位を確固たるものにするためにはねじ商工連盟として商工が団結して様々な課題に対処していく必要があると考えております。

 

 現在ねじ商工連盟では、本年4月に改正公示された六角ボルト(JIS B 1180)及び六角ナット(JIS B 1181)の改正JIS規格について、新たな問題の発生が危惧される状況であるために対外的な周知、アピールの準備中です。

 これはまさに我々ねじの製造業者と流通業者が、車の両輪のごとく一緒になって推進していかなければならない重要な事業の一つであると感じております。またそれ以外にも、業界全体で世界の舞台で活躍できる人材の育成、さらなる技術基盤強化、急激な環境変化に対応出来る経営基盤強化などの事業推進が求められている状況にあります。

 

 そのために当協会が現在進めている資格委員会事業、未来開発・パブリシティ事業、技術委員会事業等について、我々だけではなくねじ産業に従事する全ての方々に対して協力をお願いした上で、日本ねじ商業協同組合連合会の皆様とも共々に発展を目指したいと思っております。

 

 最後になりましたが、広く多くの方にねじとねじ業界についての関心を深めて頂けますよう祈念すると共に、日本のねじ産業に携わる皆様の益々のご発展を衷心よりお祈りして私のご挨拶とさせて頂きます。

(2014年5月23日 ねじの日によせて)

竹中会長 年頭所感
2014年01月06日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

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                 年 頭 所 感


                         一般社団法人日本ねじ工業協会                    
 

                     会 長  竹 中  弘 忠



 

平成26年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

平成25年は、超大型台風、集中豪雨、竜巻が世界各国を襲い大きな被害をもたらしました。
日本においても多くの人が尊い命を亡くされると共に、家屋の倒壊など大きな被害を被りました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに被災された皆様に対して衷心よりお見舞い申し上げる次第であります。

  さて、昨年の我が国経済は「アベノミクス」で始まり、消費税増税で終わった1年であったといえると思います。そのため年後半の景気は、政府経済対策並びに消費税増税前の駆け込み需要により内需を中心に堅調に推移したといわれています。しかし、納入先の需要業界によって多少の温度差はあるとはいえ、混沌とするエネルギー問題や電気料金の値上げなどの影響もあって、我々中小企業は「アベノミクス」の恩恵をまったく受けられていないといっても良いのではないでしょうか。

 国際通貨基金(IMF)の2014年の世界経済見通しにおける経済成長率は、米国は住宅需要の回復等で2.5%、中国が投資から消費へと持続可能な国内成長に軸足を移すなど若干成長は鈍るものの、中国、インド等のアジア途上国は6.5%(昨年は6.3%)、日本は、消費税増税等で1.25%(昨年は2%)の成長率となっています。その結果、日本や米国をはじめとする多数の国・地域で増大した政府債務問題とそれに関連する財政上、金融政策のリスクなど依然として下方リスクもありますが、世界経済全体で、昨年を上回る3.6%(昨年は2.9%)成長を予測しております。

 そんな中、今年は、東日本大震災の復興需要や東京オリンピック需要がねじ業界にも波及してくるとのではないかと期待はしておりますが、その反面、消費税増税の影響を受け、4月以降は住宅関係を含め内需の大幅な減少を余儀なくされることは間違いなく、我々ねじ業界を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況が続くのではないかと予測しております。政府のさらなる力強い経済対策を望むところであります。 

 特に、ねじ製品は、政府が掲げた新たな成長産業といわれている医療、航空、環境などの新分野においても重要な締結部品として既に使用されているわけであり、我々国内ねじメーカーは、これからさらなる高度化、高付加価値化、高品質化を目指した技術・製品開発を行って、海外製品との厳しい競争に勝ち残っていかなければならない状況にあるといえます。 

 当協会は、昨年4月1日より社団法人から一般社団法人日本ねじ工業協会へ生まれ変わり、新たな出発を致しました。本年の年頭挨拶は、「今年も相変わらず・・・」ではなく、「今年こそ」はという決意で、ねじ業界の発展をなお一層推進して、基盤強化を確実なものとするため、平成26年度事業を強力に推進して、会員の皆様をはじめねじ産業に携わる皆様のお役に立てるような協会を目指して努力してまいる所存です。 

 これまで、当協会の重点施策として実施してきた、ねじ製造技能者へのインセンティブ付与並びにねじメーカーが取り組む人材育成支援のためのねじ製造技能検定創設に関する事業(協会認定の実施、同講習会の開催)やねじ製造業の職業能力評価基準の活用促進等の資格委員会事業、ねじ産業の地位向上を目指す未来開発・パブリシティ委員会事業、加速するグローバル調達への対応のために国際協調・国際競争力強化をはかる国際委員会事業、工場見学会や講習会(研修会)開催等の技術委員会事業については、これまで以上に皆様からのご要望をお聞きしながら、各事業に取り組み成果を上げるために新たな一歩を踏み出して、その実現に向かって邁進していく所存です。会員各位、ねじ関連諸団体のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。 

 末筆ではございますが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成25年「ねじの日」を迎えて
2013年05月29日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 
 
 
一般社団法人日本ねじ工業協会
会長 竹中 弘忠
 
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 昭和50年7月15日にねじ商工連盟(一般社団法人日本ねじ工業協会と日本ねじ商業協同組合連合会で構成)総会で「ねじの日」(6月1日)が制定されて、早いもので38年目を迎えます。
 
 ご高尚のとおり、昭和24年6月1日に新しくJIS制度が制定され、それにちなんでこの日を「ねじの日」と定められました。ねじの製造、販売に携わる者の社会的責任等についての認識を深め、かつ社会一般にねじの基礎部品としての重要性を周知することを目的として「ねじの日」が定められました。
 
  昔から「ねじ」は産業の塩と呼ばれ、「もの」と「もの」を締結する部品であり「ものづくり」にとってなくてはならない重要な基幹部品であります。またその品質は機械工業、住宅、橋梁等の性能・安全を大きく左右するとの認識のもと、ねじメーカーは今日まで技術開発、商品開発に積極的に取り組み、高品質で優れたねじ類を日本並びに世界各国へ送り出してきました。
 
  「MADE IN JAPAN」は、日本並びに世界各国の機械工業等の発展に大きく寄与し、その品質・性能は内外のユーザーから高く評価されております。
 
 ねじは、また「もの」と「もの」を締結するだけでなく、自動車、家電製品、住宅等を通じて、人々の快適で安全な日々の生活を影で支えており、生産活動、人々の暮らしの隅々までかかわっております。
 
 経済のグローバル化に伴い、わが国ねじ企業はアジア企業等々と激しい価格競争・市場競争を強いられております。熾烈な国際競争に勝ち残り、わが国ねじ産業の地位を確固たるものにするためにも、世界の舞台で活躍できる人材の育成、新製品の開発、経営基盤の強化等が急務となっております。
 
 その対応策の一環として当協会では、次の事業を強力に推進しております。
資格委員会が進めている、ねじ製造技能検定制度の確立です。この事業は、ねじ製造技術者・技能者の技術力並びにわが国ねじ産業の技術水準の向上を図ると共に、新商品の開発・生産に繋げる人材育成のための大事な事業です。平成23年度及び24年度にねじ製造技能検定2級試験(協会認定)を実施しました。技能検定試験(協会認定)を、あと数年実施してその成果を基にねじ製造技能検定国家認定資格制度の創設を厚生労働省へ申請することにしております。
 
 また、平成23年度に厚生労働省のご指導の下「ねじ製造業の職業能力評価基準」を作成しました。平成24年度にはこの職業能力評価基準に基づきキャリア形成過程をモデル化したキャリアマップ及び職業能力評価シートを作成しました。ねじ企業の人材育成並びに職業能力評価への活用をホームページ等を通じて広く働きかけるなど、世界に羽ばたける人材育成の支援態勢を推進しております。
 
 "ねじ"なくしては、生産活動、人々の暮らしに支障をきたすと思っております。
「ねじの日」に心を新たにし、世界に冠たるねじの開発・生産に努め、工業立国日本を再生し、ねじを通して社会貢献並びにねじ産業の発展に尽くしてまいる所存です。
どうか皆様のなお一層のご支援、ご協力を心からお願い申し上げる次第です。
 
 最後になりましたが、会員はじめねじ産業に関係する皆様方のご発展並びにご健勝を心よりご祈念申し上げて、「ねじの日」のご挨拶とさせていただきます。
 
 
一般社団法人日本ねじ工業協会 会長年頭所感
2013年01月01日    カテゴリ:12.協会役員ご挨拶 

Chairman Mr.Hirotada Takenaka.jpg                     年 頭 所 感
                                                                                                                                         一般社団法人日本ねじ工業協会  
                                      会 長 竹 中 弘 忠 

 平成25年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

昨年の世界経済に関するIMFの発表によると、財政再建が需要を減らしているほか、欧州を中心に金融システムの不安定などの要因により世界経済は回復を続けているが、回復力が弱まっているとして世界全体の実質経済成長率を3.3%と当初の予想より下方修正しています。

また、IMFは2013年の世界経済見通しについて、欧州の債務危機への対応や米国の急激な財政支出削減の回避など、適切な政策対応が実施されるとの前提で、実質経済成長率を世界で3.6%、米国2.1%、ユーロ圏0.2%、日本1.2%、中国8.2%と予測しております。

米国の大統領選挙はオバマ大統領が再選を果たしました。早急に景気回復や雇用創出への効果的な政策が求められています。また、サブプライムローン問題による金融危機への対応として、金融緩和、財政支出の拡大策を進め、その結果多額の財政支出をもたらし、巨額の財政赤字が生じました。財政赤字縮小のために歳出削減等財政緊縮策を進めれば、欧州の債務危機による財政緊縮策と相俟って世界的に信用不安が生じ米国経済は後退し、世界経済に大きな影響を及ぼすと危惧されております。

 一方わが国経済は、相変わらずデフレ経済から脱却できずもがいております。
また、沖縄県・尖閣諸島の国有化の影響で、中国国内の対日感情の悪化、自動車等日本製品の不買運動の影響で最大の輸出先である中国向けが大幅に減少するなど、貿易赤字が定着したと言われております。

電子・電気メーカーも、韓国などの新興国との価格競争に敗れ莫大な赤字を計上し、その対策に追われているのが実状であります。大学・高校の新卒者の就職難、リストラによる失業者の増大、原発・電力・エネルギー問題、円高等わが国経済は厳しい状況が続いております。

ねじ産業に携わるものとして、一刻も早い景気回復を切に望む次第でございます。

 昨年末の総選挙で政権与党に復帰した自民党を中心とした新政府においては、景気対策を最優先課題として取り組み、デフレ脱却、原発・エネルギー問題の解決等一刻も早く経済の回復を図っていただきたいと思う次第です。

 さて、一般社団法人日本ねじ工業協会は昨年主に資格制度、国際交流等の事業を実施してまいりました。

 資格制度については、3年前より取組んでいる「ねじ製造技能資格検定制度」創設に係わる事業で、昨年は、取りあえず会員のみを対象に「ねじ製造技能検定(2級)試験」を東京、愛知及び大阪で実施しました。33名が受験され、うち12人が見事合格を手にされました。
第二回目は、今年の2月22日に実施します。多くの方に受験していただきたいと思っております。

現在は、運営体制が整っていないため、会員のみを受験対象としておりますが、今後は1級対象の試験導入や会員以外のねじ製造に携わっている皆様にも拡大し、わが国ねじ業界が一丸となって「ねじ製造技能検定度」の国家検定としての創設実現に邁進してまいりますので、会員各位はじめねじ製造関連企業、関連機関の皆様のご支援・ご協力を衷心よりお願い申し上げる次第です。

 国際交流に関しては、毎年持ち回りで開催しております五地域(中国、韓国、台湾、香港、日本)のねじ製造団体との交流・情報交換会を昨年は日本が当番で、6月に東京のビッグサイトで開催された機械要素技術展察、講演会開催等々を海外の団体より140名の皆様をお招きして、有意義かつ実のある交流・情報交換会を会員各位のご支援・ご協力のお陰で開催することができました。
この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

また、技術委員会の事業として、急速に拡大している韓国の高炉メーカーPOSCO社、現地の伸線メーカーの見学会等々の事業を実施いたしまた。

今年も2月にタイ国へ工場視察・研修視察団の派遣を計画するなど委員会・部会活動はもちろんのこと、ねじ技能検定試験に係る事業等々を積極的に実施・推進してまいる所存です。
会員の皆様におかれましても各事業へ積極的にご参加下さいますようお願い申し上げます。

 当協会は、今年4月1日より社団法人から一般社団法人日本ねじ工業協会へ衣替えして新たに出発いたします。これを機会になお一層会員の皆様をはじめ、ねじ産業に携わる皆様のお役に立てるような事業を推進してまいりたいと思っております。
会員各位のご支援を心からお願い申し上げます。

 末筆ではございますが、会員の皆様方並びに関係各位のご健勝とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。